2023-04-12 政治・国際

ウクライナ情勢など米の機密文書流出問題 元国防総省高官「米国人が関与の可能性」

© Photo Credit: GettyImages 会見するカービー戦略広報調整官

注目ポイント

ここ数週間でネット上に流出したとされる米国防総省(ペンタゴン)の機密文書は、米国が同盟・友好諸国や敵国など両側に対し、同様の諜報活動を仕掛けてきたことを露呈する結果となったと米CNNは指摘した。これにより機密情報源を危険にさらすことになり、「重要な対外関係を危うくするとして米国当局者を激しく動揺させている」と伝えた。一方、元ペンタゴン高官は米国人の関与を示唆した。

そんな中、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは11日、「戦時の米機密情報流出、同盟国に打撃」との見出しで、「ウクライナの防空能力が危険にさらされれば米国に責任の一端」との内容の社説を掲載。

今回の情報漏えいにより、「同盟・友好諸国の米国に対する信頼を損ない、軍事に関するロシア国内の協議について米国がどれだけ知っているかを暴露し、そして何よりも、ウクライナの防空能力の弱さをさらけ出してしまった」と指摘した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は10日の記者会見で、ウクライナ情勢などに関する米国の機密を含むとみられる文書がSNSに流出したことについて、文書の真偽の確認は避けた上で「深刻に受け止めている」と懸念を表明した。「公にさらされるべき物ではない」と強調した。

ペンタゴンは9日の声明で、写真データとして公開された「機密や極秘の内容を含んでいると見受けられる」文書の真偽を検証していると説明。同省の付託で司法省が刑事捜査を開始したという。

一方、米情報機関の当局者は米、英、カナダを含めた英語圏5か国で構成する機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」にとって「悪夢」との見方を示したという。

 

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