2023-04-10 政治・国際

中国軍機35機が中間線越えや台湾南西防空圏進入 軍艦11隻も確認=国防部

注目ポイント

国防部(国防省)は10日、同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ70機を台湾周辺で確認し、このうち延べ35機が台湾海峡の中間線を越えたり、台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に進入したりしたと発表した。台湾周辺の海域では、軍艦延べ11隻が確認された。

(台北中央社)国防部(国防省)は10日、同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ70機を台湾周辺で確認し、このうち延べ35機が台湾海峡の中間線を越えたり、台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に進入したりしたと発表した。台湾周辺の海域では、軍艦延べ11隻が確認された。

蔡英文(さいえいぶん)総統が米国経由での中米歴訪から帰国した翌日の8日、中国軍は同日から10日までの3日間、台湾周辺でパトロールと軍事演習を行うと発表。9日午前6時までの24時間には、中国の軍用機延べ71機、軍艦延べ9隻が台湾周辺で確認されていた。このうち延べ45機は中間線を越えたり、南西のADIZに進入したりした。

空軍が公開した情報によれば、10日午前6時までの24時間に中間線を越えたり、南西のADIZに進入したりしたのは、戦闘機「スホイ30」8機や「殲11」4機、「殲10」6機、「殲16」8機、無人機「TB001」1機、「運9」通信対抗機1機、「運8」対潜哨戒機1機、艦上戦闘機「殲15」4機、無人機「彩虹4号」1機、早期警戒機「空警500」1機。消息筋によれば、殲15は中国海軍の空母「山東」から発艦したとみられるという。山東は5日に台湾南東の海域を航行しているのが確認されていた。

国防部は9日、空軍の防空部隊が警戒を強化し、対空砲部隊が35ミリ高射機関砲などで空の安全を24時間体制で守っていると説明。ミサイル部隊も地対空誘導弾パトリオットを運用して防空体制や突発的状況への対応を強化しているとした。

(游凱翔/編集:名切千絵)

対応に当たる35ミリ高射機関砲(国防部軍事新聞通信社提供)
対応に当たる35ミリ高射機関砲(国防部軍事新聞通信社提供)
艦上戦闘機「殲15」4機は中国海軍の空母「山東」から発艦したとみられる(国防部提供)
艦上戦闘機「殲15」4機は中国海軍の空母「山東」から発艦したとみられる(国防部提供)

 

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