2023-05-02 ライフ

台湾の不妊治療センターを訪れた筆者が台湾と日本の不妊治療を比較!

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注目ポイント

台湾の有名モデル、リン・チーリンの出産をきっかけに知られるようになった台湾の不妊治療。その現状や政府による支援について、台湾在住のデジタルマーケターが寄稿した。

台湾の平均給与は日本の6割程度であることを考慮すると、政府の補助なしに不妊治療に踏み切るには、一般家庭では費用面の負担が大きすぎると言わざるを得ません。

 

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2021年から台湾でも体外受精に対する補助金が施行!

出生率の低下に危機感を抱いた台湾政府は、2021年7月から、体外受精に対して最大で1回あたり10万元、上限6回までの費用を補助することを決定しました。

補助金制度の開始1年間で、4万件以上の申請があり、2万件以上が通過しました。費用面でのハードルが下がったことで、今後台湾では高齢出産や不妊治療を利用する方の増加が見込まれます。

一方、日本の不妊治療に対する補助は、2022年から保険適用範囲が広がり、基本治療の患者の負担は原則3割となりました。

さまざまな条件があるものの、費用面・政府の制度を含めて比較すると、現時点では日本の方が不妊治療を利用しやすい状況にあると言えます。


世界から訪れる!台湾の不妊治療の水準の高さ

台湾の不妊治療費用は決して安くはありませんが、その一方で医療水準は非常に高いことも事実です。実際、台湾の体外受精の成功率は36.7%で、アメリカに次ぐ世界第2位の成功率を誇っています。

日本と比較しても費用面での魅力は少ないですが、香港やシンガポールの不妊治療費用と比較すると、台湾は約4割程度、世界平均では約5割程度に抑えられます。

近年、世界中から高い医療水準の治療を求めて台湾を訪れる人が増えています。2019年の調査によれば、美容整形や不妊治療、心臓病やがんの治療を目的とした医療観光客は38万人に上り、市場規模は189億元(2023年4月時点で日本円で約820億円)に達しています。

台湾は2022年3月から、不妊治療をはじめとする外国人の受け入れを速やかに再開しました。今後、新型コロナウイルスが収束した後も、多くの人が不妊治療を目的に台湾を訪れることは間違いありません。

 

いかがでしたか? 今回は台湾の不妊治療の現状や成果、補助金制度について、ご紹介しました。

日本と台湾は、いずれも不妊治療の技術水準が、非常に高い国です。今後はお互いの国の制度や技術を注視しつつ、いいところを取り入れながら、さらに多くの方が利用できるようになることを期待します。

この記事が、日本と台湾の不妊治療について理解を深めるきっかけとなれば幸いです!

 

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