注目ポイント
6月18日、スイスの有権者は、多国籍企業に課される法人税の改革について是非を問われる。争点は、税の公平性やビジネス拠点としての競争力、増収分の分配方法だ。
社会党は、この配分比率を不満として国民投票に反対票を投じるよう呼びかけている。このようなリベートを認めれば、州の取り分は実質ほとんどが大手多国籍企業の集まる州に渡ると主張する。
左派勢力は、こうした方式は州同士の税制競争を助長するとして反対。増収分をもっと連邦政府に振り向け、インフラ投資、つまり国民への還元に充てるべきだと唱える。
そもそも一部左派は、増収分の行き先は多くの企業の利益の源泉であるグローバルサウスであるべきだと主張していたが、議会審議で挫折した。
スイスが最低税率導入を拒否したら?
この点に関してはスイスが深刻な不利益を被るという意見で一致している。仮に今回、改革案が国民投票で否決されても、それは最低税率の導入放棄を意味しない。そうなった場合、連邦議会は緊急手続きにより配分比率を再調整した上で、新たな法案を提出することになるだろう。
独語からの翻訳:フュレマン直美
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