2023-04-07 経済

GPT-4についての専門家の分析 Googleは図書館員ChatGPTは通訳者のため、脳内補完は避けられない

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注目ポイント

GoogleとChatGPTの2つを擬人化すると、Googleは図書館員で、何も教えてはくれず 、ただ物探しを手伝ってくれる。一方のChatGPTは、物探しを手伝ってくれるのでは なく、「翻訳」や「言い換え」が大好きで、自分から喜んで補足もしてくれる優れた 多言語通訳者だ。簡単に言うと、前者は「調べる」、後者は「翻訳する」である。


【議題の背景】

OpenAIは2023年3月14日にGPT-4を発表し、従来のGPT-3.5よりも正確に質問に答え、画像の解釈もできるようになった。また、OpenAIの共同設立者であるGreg Brockman氏は、YouTubeの動画でGPT-4の特徴や制限を実演している。
英国「ガーディアン」の報道によると、OpenAIがGPT-4はインターネット上にある膨大なデータで訓練されたため、GPT-3の問題の多くが改善され、より創造的になったが、言語モデルが出力した回答を利用する際には、依然十分な注意が必要であり、ユーザーに再度内容を確認することをお勧めすると述べている。


【関連情報】

OpenAI GPT-4公開情報: GPT-4
OpenAI GPT-4に関する技術報告書:GPT-4 Technical Report
英国「ガーディアン」:OpenAI says new model GPT-4 is more creative and less
likely to invent facts
CNNニュース:The technology behindChatGPTis about to get even more powerful
 

専門家の意見を聞いてみよう。


蔡宗翰氏(国立中央大学情報電気工学学院情報工学科教授)に聞いた。


1.GPT-4の利点と制限は?
GPT-4は現在多くの学習データを使用して訓練されており、言語の偏りの影響を減らし、より正確に質問に答え、文章を生成することができるという利点があり、現時点で最も強力な言語モデルの1つである。


また、GPT-4は大量の文字や画像資料を学習することで、より高度な創造力や想像力を身につけ、より面白くてユニークな文字や画像描写を可能にする。さらに、画像を解釈し、重要な情報を抽出し、関連のテキストを生成する機能も備えている。
なお、大事なのは、GPT-4の実行や訓練には膨大なデータセットが必要なため、設備によっては実装が難しく、多くのエネルギーを消費することが予想される。また、GPT-4は従来のバージョンよりも精度が向上しているとはいえ、一部エラーが発生する可能性があるため、使用時には十分な注意とさらなる確認が必要だ。


2.これまでの研究経験を踏まえて、GPT-4の画像解釈やテキスト生成の能力について、他にどのような点を改善すればよいのか?新しいアルゴリズムの開発や、より質の高い訓練資料の提供は必要なのか?
現時点でのGPT-4は、画像を解釈して関連のテキストを生成することに大きな進歩を遂げた。しかし、この技術にはいくつかの限界や課題がある。例えば、画像とテキストの関連付けは複雑な問題であり、現在の言語モデルはこの分野ではまだ限界がある。モデルの正確さや精度をさらに向上させるためには、より高度なアルゴリズムや技術を開発する必要がある。
GPT-4は、テキスト生成時に事実に基づかない回答をまとめることがあり、ユーザーに誤解やネガティブな影響を与える可能性がある。この問題を解決するためには、より質の高い学習データをモデルに提供する必要性があるとともに、より多くの事実検証機能や検査機能の導入を検討することが考えられる。
また、言語モデルの学習データには一定の偏りが存在する場合があり、例えば、性別、民族、文化的背景などが挙げられる。この問題を解決するためには、モデルをより細かく調整や訓練し、出力をより厳密に審査や検査する必要がある。
以上のことから、GPT-4の画像解釈やテキスト生成能力をさらに向上させるためには、関連するアルゴリズムや技術のさらなる探求と研究、そして、より質の高い学習データやより細かな調整や訓練が必要であることがわかる。
台湾は、国際的なAI競争に取り残されないために、決してユーザーだけにはならず、大規模な言語モデルを訓練する技術に投資し、進化させ、研究する資源を持たなければならない。そうすることで、GPT-4を使って作成された偽メッセージの攻撃に遭った際に、識別し解釈することができるのである。

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