注目ポイント
東京では統計史上1位タイの3月14日に開花が宣言された今年の桜。平年より早く桜前線が北上する中、本格的な花見の再開を待ち望んでいたのは日本人だけではない。
記録的なペースで桜開花の便りが届いた今春。東・西日本はすでに見頃のピークを過ぎたところが多くなってきたが、東北北部や北海道はこれからが本番。青森や函館、札幌でも今月中旬には見頃を迎えるようだ。
新型コロナ対策のマスク着用が個人の判断に委ねられ、4年ぶりに花見の宴会も解禁されたことで、東京をはじめ桜の名所には多くの人出が見られている。
花見を心待ちにしていたのは日本人だけではない。外国人観光客にとっても日本の「SAKURA」「HANAMI」は春の風物詩。コロナ前から桜を目当てに日本を訪れる観光客は多く、訪日客向けの日本の観光情報サイトでは、開花予想や桜の見どころ、花見の楽しみ方を紹介する特集が組まれている。
『地球の歩き方』が運営する外国人観光客向けの情報サイト「GOOD LUCK TRIP」では、ウェブサイトの桜特集と連動した小冊子も発行した。JNTO(日本政府観光局)が発表している訪日外国人客数(2月時点)で、韓国に次いで多い台湾からの観光客をターゲットにしたもので、台湾現地の旅行会社や台北・松山空港の出国前待合スペースで5,000部を無料配布したという。

理論経済学などが専門の関西大学の宮本勝浩名誉教授のレポートによると、2023年の花見の経済効果は約6,158億1,211万円で、制約の多かった2022年と比較すると約3倍に上る。ここに、本格的な往来が再開されていない中国からの観光客の直接効果が加われば、来年こそはコロナ前を上回る経済効果が期待できるかもしれない。
本番はこれから!訪日客に紹介したい北日本のお花見スポット
【青森・弘前】弘前公園
秋田県の角館、岩手県の北上景勝地と並んで「みちのく三大桜名所」の1つに数えられる。恒例の「弘前さくらまつり」も開花・満開が例年より早まっていることから、出店の営業や夜桜のライトアップの開始を今月15日に前倒しする(まつり開催期間は21日から5月5日まで)。

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像
【北海道・函館】五稜郭公園
函館でも有数の花見スポットでは、1500本以上のソメイヨシノやヤエザクラが咲き乱れる。五稜郭タワーの展望台に上れば、星形に縁取られた桜が楽しめる。

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【北海道・札幌】円山公園
隣接する北海道神宮境内とともに、札幌市内で古くから親しまれてきた桜の名所。シートをひいた飲食や宴会はできるものの、過度な混雑を避けるため、北海道の花見でおなじみのジンギスカンなど火気の使用は見合わせ。

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【北海道・小樽】手宮公園
エゾヤマザクラやソメイヨシノなど約690本が咲く海沿いの公園。丘の上にあるため小樽港を一望でき、港と桜を一緒に楽しめる絶景が外国人観光客にも人気。

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