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2023-04-04 観光

これがほんとの「いい塩梅」―台湾人は酸っぱいものが大好き?―

注目ポイント

台湾料理は酸っぱいという第一印象を持つ人は少ないかもしれません。でも台湾には、酸辣湯、姜絲大腸、酸菜、酸梅、酢豚など酸っぱくておいしいものがたくさんあります。今回は梅を中心に、日本人には馴染みがない「梅粉」と、日本のものとはずいぶん違う「梅干し」を紹介しましょう。塩と梅は世界最古の調味料ですから。

紹興酒と梅干

台湾では最近、大手メーカービールやクラフトビールが流行しています。対して紹興酒はというと、若者を中心に紹興酒離れが進み、その結果ここ7~8年、紹興酒の市場が著しく縮小しています。かつては宴会と言えば紹興酒というほど大盛況だった紹興酒ですが、色々な飲み方があることをご存じでしょうか。甘党はザラメの砂糖を、酸っぱいのがお好きな人はレモンスライスを、健康志向の人はしょうがの千切りを入れて飲みます。そして最もポピュラーなのが、梅干しをまぜる飲み方です。この梅干しを中国語で「酸梅」と言いますが、日本の梅干しほど酸っぱくもしょっぱくもありません。砂糖と塩をまぶして乾燥させていて、どちらかというと甘酸っぱい感じです。お茶請けやおやつとして食べる人もいます。台湾の「酸梅」をお弁当のおかずやおにぎりの具にしている人はまずいません。

 

梅粉と梅の蜜漬け

日本では見かけない「梅粉」という粉末調味料があります。夜市や町の果物屋さんで台湾グアバ(芭楽:バラ―)を買うと梅粉がついてきます。これは梅の粉末にブドウ糖と塩を混ぜて作られたもので、台湾では、蓮霧、トマト、スイカ、パイナップルなど、あまり甘くない果物にかけて食すとされています。梅粉は酸味と塩味がはっきりしているため味がぼんやりしたフルーツに合います。マンゴーやバナナ、オレンジ、ブドウには合わないようです。

台湾グアバと梅粉

夜市に行くと、串に何個かのイチゴやトマトを刺したのを売っています。りんご飴やいちごあめなどは日本でも売っていて馴染みがありますが、台湾のはよく見ると、何か黒いものが挟んであるミニトマトがあります。あの黒いのは梅の蜜漬けです。甘さが十分でないミニトマトに梅の蜜漬けを挟んで甘さを足しているのです。そしてそれは飴でコーティングしているのもあればコーティングしていないのもあります。筆者は先週初めて飴のコーティングなしのミニトマト+梅の蜜漬けを食べてみましたが、これが意外に(失礼)うまい。一度食べたらやめられません。癖になります。

飴コーティングありのミニトマトと梅の蜜漬け
梅の蜜漬けとミニトマト

 

士林夜市の台湾グアバと梅粉

先日筆者は日本から来た友人を士林夜市に連れて行きました。「あちこちに梅の字が書いてあるメニューや看板が見える。台湾人は酸っぱいのが好きなんだね」と言われ、そうかもしれないと思って梅粉や酸梅を紹介することにしました。しかし、わたしは、長年台湾に暮らしてきて、台湾人は酸っぱいのが好きだという印象は特にありません。台湾の梅はたいてい砂糖がまぶしてあるため、日本の梅干しに比べてそれほど酸っぱくないのです。

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