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都心から近く、レトロな町並みが若者に人気な埼玉県川越市。外国人からの人気も高く、特に台湾人の観光客は例年最も多いことで有名だ。ただ、「小江戸」として親しまれているこの町がなぜ「小江戸」と呼ばれているのか、リピーターでもその理由を知るものは少ない。今回はそんな「謎」を解いていくことで、川越の知られざる魅力に触れていく。
都内から電車で1時間! 子どもから大人まで楽しめる人気観光地
外国人の個人旅行解禁からはや数カ月。3年ぶりに日本に訪れる台湾人観光客も続々と増えています。その例にもれず、台湾にいる筆者の親戚も近々日本に来ることになりました。旅のプランを見せてもらったのですが、最終日はまだ空欄。どこに行くか迷っているから、アドバイスを頂戴とのことでした。
「最終日だから、がっつり遊ぶんじゃなくて近場でふらっとしたい」
「せっかくだから、やっぱり日本らしさを存分に感じられるところがいいなあ」
「でも東京は何回も行っているから、新宿や浅草以外でね」
注文、いと多し。台湾人は日本旅行のリピーターが多いので、素人レベルの私では旅行の提案も一苦労です。しかしそんな要望にも、全て応えられる魔法のようなエリアを見つけました。それが「小江戸」川越! 池袋から急行で30分、新宿から快速で1時間ほどのアクセスで、気軽に江戸時代にタイムスリップできるこの場所は、台湾人観光客の間でも人気の観光地です。
縁結びの「氷川神社」をはじめ、着物姿で散策できる「蔵造りの町並み」、懐かしい駄菓子が並ぶ「菓子屋横丁」など、魅力溢れるスポットが沢山揃っています。
海外からのリピーターも多いこの場所、旅行先としてはまず間違いないでしょう。しかし、ただ単に紹介するだけでは面白くありません。せっかくなら、この地に関するうんちくを語って「こんなに知っているんだぜ」アピールをしたいところ。例えば、川越はそもそもなぜ「小江戸」と呼ばれているのか? なぜこんなにも沢山の蔵があるのか? そんな、リピーターでも意識しにくいマイナー知識を披露して尊敬を集めたい。その欲望を胸に、まずは自分で川越に行ってきました!
謎1:江戸の風情残るから「小江戸」…なだけじゃない? 川越と江戸の意外な関係
「江戸時代の建物をそのまま残しているから小江戸、そんな簡単なことじゃないの?」
そう思われる方もいるかもしれませんが、その背景には深い歴史があるのをご存じですか?
まずやってきたのは「川越市立博物館」。観光客には見落とされがちな場所ですが、知識を詰め込むには最適です。学芸員の方に案内され、たどり着いたのがこの『江戸図屏風』。実はこの屏風こそが、川越と江戸の深い関係を示す手がかりなのだそう!
この屏風は、江戸幕府3代将軍の徳川家光の功績を称えるために作られたもので、江戸城と川越城が描かれているのがポイントです。この二城は同じ生みの親から生まれた兄弟城で、江戸城には将軍、川越城には老中などの重鎮が住み、両地は密接につながっていたといいます。