注目ポイント
NHK大河ドラマ「どうする家康」で注目される栃木県日光市がこのほど海外メディアなどを対象にしたバスツアーを実施した。コロナ禍以前の水準に向けて次第に本格化するインバウンドを念頭に、海外旅行客に向けて栃木県の魅力をアピールする狙いだ。京都や奈良、鎌倉など強力なライバル都市の前で、果たして日光は「古き良き日本」の聖地の一角に食い込めるだろうか。
映える写真「日光の社寺」

「日光を見ずして結構と言うなかれ」-
陽明門に代表される壮麗かつ豪華絢爛たる日光東照宮の建築物は、それこそ「結構」という言葉にふさわしい造営であり、これを見ずして建築の美を語る資格は無い、ということを言い習わした言葉だが、江戸幕府初代将軍・徳川家康(1543~1616)ゆかりのこの神社は、まさに今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の放映に合わせ観光地としての注目度も急上昇だ。
「家康」といえば往年の米テレビドラマ「将軍SHOGUN」の主人公の主君のモデルでもあり、比較的海外でも知られた存在。しかも今年6月24日、25日には日光市内のホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」でG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が開かれるというタイミングでもあり、地元・栃木県としても、「何としても海外旅行客呼び込みの起爆剤としたい」という意気込みなのだろう。
そうして鳴り物入りで集めた在京海外メディア関係者らを乗せたツアーバスは3月16日朝、東京駅前を出発したのだった。
「ちょうど主な修復が変わったタイミングでもあり、SNS映えする写真も撮り放題ですよ」とツアーガイドの女性は胸を張る。
たしかに東京オリンピックに合わせた文化財の修復スケジュールを思えば、この時期は最高だ。
先述の通り、日光東照宮は江戸幕府を開いた初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を主祭神として祀る神社なのだが、これと日光二荒山神社、そして天台宗の寺院「日光山輪王寺」はセットで、「二社一寺」として国の史跡に指定されており、「日光の社寺」として世界遺産にも登録されている。
日光東照宮を象徴する陽明門をはじめ、日光山輪王寺の本堂(三仏堂)、大猷院、慈眼堂などなどは、たしかに訪日外国人客らに「日本に来た」と実感させるであろう文化的オーラをまとっており、小学校の遠足以来である筆者も思わずスマホで写真を撮りまくってしまった。(三仏堂のご本尊のみは撮影禁止のため提供写真)

サムライ!ニンジャ!チョンマゲ!ユバ!
いきなりメーンディッシュからご紹介したが、実はこの日のツアーバスが最初に訪れたのは、江戸時代の城下町を再現したテーマパーク「EDO WONDERLAND日光江戸村」だったので時を戻そう。
到着するや、お約束のチョンマゲ姿で腰に刀を差した侍姿のキャストによる演出が一行を歓迎。続いて黒装束も凛々しい忍者ショーを見学した。

「やはり日本といえばサムライ、ニンジャなのか…あるいはフジヤマ、ゲイシャ、ハラキリ…それともスキヤキ、ヒョットコ、アキハバラ…」