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2014年のひまわり学生運動で抗議者が行政院(内閣)を占拠した事件を巡り、監察院は23日、調査報告書を公表し、行政院や内政部(内務省)警政署など5機関に8項目の過失があったと明らかにした。

(台北中央社)2014年のひまわり学生運動で抗議者が行政院(内閣)を占拠した事件を巡り、監察院は23日、調査報告書を公表し、行政院や内政部(内務省)警政署など5機関に8項目の過失があったと明らかにした。5機関に対し、責任追及や再発防止を求めた。
14年3月、中国との「サービス貿易取り決め」に反対する学生らが立法院(国会)を占拠した同運動。抗議者は同23日夜から24日未明にかけて行政院庁舎に突入し、建物を占拠したが、警察によって強制排除され、流血の事態となった。警察の行動に対しては批判が噴出し、監察院は同年4月7日、調査に乗り出していた。
監察院が過失を指摘したのは、行政院、内政部、内政部警政署、台北市政府警察局、台湾台北地方検察署(地検)の5機関。調査の結果、実際の負傷者が警察発表の4倍近くに上ること▽警政署が指揮官らの処分をいまだに行っていないこと▽暴力を黙認した現場指揮官が責任を免れないこと▽警察の排除状況が目的と手段の均衡を求める「比例原則」から逸脱していたと司法機関が認定したこと▽警政署幹部による人員配置の不適切さが暴力による排除につながったこと▽警察官への教育の不十分さ▽証拠映像の不当な処理によって抗議者に対する暴力の過程などの調査ができなくなっていること▽一部の警察官に粗暴な行為や過度な法執行、抗議者への恨みがあったこと―の8項目が明らかになったとした。
行政院の羅秉成(らへいせい)代理報道官は同日、「民主主義や人権は得難いものであることを深く認識すべき」だとした上で、警察の法執行における人権教育意識をいかにして強化していくかもこの上なく重要なことだとの考えを示した。行政院として謙虚に受け止め、改善を真摯(しんし)に検討していくとした。
(林敬殷、頼于榛/編集:名切千絵)