2023-03-24 政治・国際

新型コロナウイルスを媒介したのはタヌキか やっぱり中国・武漢の市場が起源の可能性

© Photo Credit: GettyImages

注目ポイント

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)の起源について、中国・武漢の市場で売られていたタヌキと関連していた可能性を示す遺伝子データが、このほど国際研究チームにより確認された。ただ、この発見でタヌキがウイルスを人間に媒介した最初の感染源であったことを明確に示すものではないとしているが、武漢市場説がますます否定できなくなってきた。

実際、タヌキは、中間宿主としてサナダムシ、狂犬病、その他の病原体を人に感染させることが報告されている。

2022年3月の研究では、タヌキがイヌのコロナウイルスを保有している可能性があることも判明。人間に見られるコロナウイルスといくつかの類似点を示しているという。

カーリン氏は、野生の同程度の大きさの多くの動物が感染症を媒介する可能性があるが、人への感染を広めることはまずないと指摘した。

タヌキは武漢のような生きた動物を販売する生鮮市場で販売されることが多く、自然界では接触しない動物の近くで檻に入れられ、積み重ねられて販売されるため、病気の感染機会が増えるという。

一般的に人間がタヌキからウイルス感染するケースは3つの場合が考えられるとシュラー氏とカーリン氏は説明。それらは全て生鮮市場で売られているタヌキとの接触がほとんどだという。

1つ目はタヌキの体液に触れ、その手で自分の口、鼻、または目に触れた場合。

2つ目は屠殺する過程で、血やその他の液体を吸収する可能性。

3つ目は食した際だ。

「これらの動物がストレスを受ける状況にある場合、ウイルスを排出する可能性が高くなる」とシュラー氏は指摘し、檻に入れられることでストレスを引き起こすことになるとした。「このような動物がウイルスを順応させ、人間に感染させる橋渡し役になる確率は高い」と付け加えた。

タヌキは2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の発生に関与している可能性が疑われたが、専門家は確証がないとしている。シュラー氏によると、13年のある論文では、SARSに似たコロナウイルスが当時タヌキから検出されたが、最終的に関連性を確認するには、さらなる研究が必要だとされていた。

また、別の生物からウイルスに感染したタヌキが人間に感染させた少数の例も報告されているとカーリン氏は指摘。だが、タヌキが原因とする他のパンデミックについては報告されていない。

同氏は、「タヌキがSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)を保有していた可能性があることは確かに驚くことではない」とした上で、「媒介動物としての能力を考えると、それが起こらなかったと考える理由はない」と述べた。

 

あわせて読みたい