注目ポイント
昨秋から入境制限も緩和され、日台間の往来は大型連休に向けて本格的に回復の兆しが見えてきました。これに先駆け、この年末年始に3年ぶりの台湾訪問を決行した筆者は、レンタルバイクで全島を巡るというワクワク計画を実行。まずは3年間恋焦がれた台中市訪問を満喫します。しかし好事魔多し。嘉義を過ぎ、台南市到着後に新型コロナの抗原検査キットを試してみると…。今回の旅行で最大のトラブル直面に至るまでにかみしめた、わがまち名古屋と台中の深い深いご縁の数々をご紹介しましょう。
名古屋とは深い縁の台中市
台北郊外・桃園国際空港近くの中壢を出発点としてレンタルバイクにまたがり、迷子になったり、遭難しそうになったりしながらようやく到着した台中の街。
ここは台湾一周(環島)計画の最初の訪問地というだけでなく、実は今回の計画で一番行きたかった場所です。
正味10日間で環島を達成する日程ですが、台中には2日間滞在しました。いろいろ紹介したい場所や出来事もありますが、今回はフォルモサ高速道路(福爾摩沙高速公路)の清水サービスエリア(服務區)と宝覚寺(寶覺禅寺)を紹介します。
ちょっと大げさかもしれないけど、日本と台湾の交流は近年大きく進歩しました。
「日本と台湾」という単位で交流することがまだまだ多いのですが、さらに発展させるには「日本の町と台湾の町」という視点も必要だと思います。「地元と台湾の町が繋がった!」と聞くと、これまで関心なかった人も台湾に興味を持つきっかけになります。
筆者の地元である名古屋と台湾・台中市は、そんな町同士の日台交流の場でもあります。
3年ぶりの台湾なのに何で高速道路のサービスエリアなんかに行くの?と不思議に思う方もいると思いますが、実はここは筆者と接点があるのです。
台中の清水は台湾原住民(先住民)のひとつ平埔族の一派・パポラ(拍瀑拉)族が住んでおり、17世紀に中国・福建省の泉州から楊、蔡という名字の人が多く移住してきました。国民的作家・司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズでも屈指の名著とされる「台湾紀行」に案内役「老台北」として登場する故・蔡焜燦氏が生まれた場所でもあります。
そんな清水にあるサービスエリアですが、名古屋のNEXCO中日本が運営に協力しています。NEXCO中日本の協力が始まったのと同じ時期に、名古屋市と台中市が「観光分野におけるパートナー都市協定(觀光友好城市交流協定)」を締結しました。こうした背景もあって、清水サービスエリア内で名古屋の観光情報を発信したいという話が持ち上がりました。
それを実現するために、2020年11月6日に名古屋市観光文化交流局、名古屋観光コンベンションビューロー、NEXCO中日本、中日本エクシスの4者で「台湾・台中市の清水サービスエリアを起点とするインバウンドプロモーションに関する連携協定」が結ばれました。
締結式は筆者が主催する「第1回 台湾・台中夜市」で行われました。そんな縁もあって3年間恋焦がれた場所なのです。
清水サービスエリアの「名古屋メシ」
このサービスエリアの中にある日本美食天堂(JAPAN SKY DINE)がお目当ての場所。一休みするドライバーさん達の食事処です。