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2023-03-27 経済

【谷井隆夫の台湾に進学しよう!】① 高い教育水準と安い学費、今や日本の高校生の選択肢に⁈

注目ポイント

海外留学する日本の大学生が減少するなか、学費や生活費が比較的安く、教育の質も高いことで知られる台湾の大学への留学が注目されている。大阪府立高校の教頭、校長時代に修学旅行などを通じて台湾と関わり、退職後は「台湾進学ゼミ」(大阪市阿倍野区)代表となった谷井隆夫氏が自身の体験をもとに、日本の高校生の進学選択肢のひとつとして「台湾」がいかに魅力的であるかを徹底解剖する。

語学、専門知識、国際経験

「日本の高校生の進学先として、台湾の大学は魅力的な進路選択の一つとなる」-。

そんな風に私が考えたのは2015年ごろだった。

それまでの10年間、大阪府立高校の教員として、台湾への修学旅行や台湾の学校との交流を数多く私は経験していた。つまり私は、台湾の教育レベルの高さ、比較的安価な学費と生活費、社会の治安の良さ、親日ぶりを、タピオカミルクティーブームのずっと前から知っている日本人だったのである。何よりも、充実した台湾での大学生活を通して、中国語などの語学力、専門知識、国際経験のすべてが獲得できる。昨今の海外留学に消極的になった日本の若者にとって、このことがどれほど大きなメリットとなるのかは明らかだった。私が「台湾進学ゼミ」という留学サポート教室を大阪市阿倍野区で開いたのは、そのような思いが原動力である。

大明石阿倍野区・あべのベルタ3階にある台湾進学ゼミ(筆者提供)

その思いは揺らぐことなく、今日私は教室などで、台湾の大学が素晴らしい進路選択の一つであることを日本の若者と保護者に日々伝え続けているわけだが、その自信には実体験という根拠が存在する。それは我が家の次男坊、研輔という存在だ。

何を隠そう彼は実際に台湾の大学に進学し、無事に4年で卒業して、現在26歳になっている。台湾で学んだ後は日本企業への就職活動を経て、今は得意の中国語を活かせる日本の専門商社に勤務しているのだ。これは、私のかつての、台湾に関係する仕事ぶりを、彼が少年時代から見つめながら育った結果である。いわばオヤジの背中が彼の進路選択に影響を与えたのである。

台湾進学ゼミの授業風景(筆者提供)
台湾進学ゼミの授業風景(筆者提供)

小学生で台湾体験した次男

研輔が小学生のころ、私は大阪府立住吉高校の教頭をしていた。住吉高校は当時としては珍しく、台湾を修学旅行の行先と決めたばかりだった。その交流相手校は台湾では名門で知られる台北市立中山女子高級中学(蔡英文総統の母校)だった。この台湾きっての名門校と住吉高校はその後姉妹校提携を結び、親密な相互交流を以後15年以上にわたって継続し、今に至っている。

2007年の夏、私は、この中山女子高級中学に、夏休みの旅行を兼ねて小学生だった研輔を伴って訪れた。同じ年の秋に予定していた第一回台湾修学旅行の事前のご挨拶に、ごく気楽な気持ちで訪問したのである。

しかしその時、中山女子高級中学の黄郁宜校長は、住吉高校の200人の生徒を中山生徒宅に一泊ホームステイさせる準備があること、また昼ごはんの弁当を生徒全員分用意するので、午前中に来てほしいということなどを熱心に話してくれた。

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