注目ポイント
半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀氏は16日、中国の半導体技術は台湾よりも5、6年遅れているとの考えを示した。

(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(モリス・チャン)氏は16日、中国の半導体技術は台湾よりも5、6年遅れているとの考えを示した。米国が中国に対して新たな輸出規制を実施したことについては「特に意見はない。むしろこのような方向性を支持していると言える」と述べた。
台湾の経済誌、天下雑誌が主催するイベントで述べた。張氏は米中の半導体を巡る攻防を描いた「CHIP WAR」の著者、米タフツ大のクリス・ミラー准教授と対談し、世界の覇権争いや半導体産業の発展の行方について意見を交わした。
張氏は中国のテクノロジー分野での技術力について、中国が最先端のICチップを製造する際に困難に直面しているのを目にしたことがあると説明。一方で、TSMCは5、6年前にはそれらのICチップを容易に製造することができたと紹介し、台湾と中国の技術には少なくとも5、6年の差があるとの見解を示した。
張氏はミラー氏に対し、戦争が起こらないと仮定した場合の5年後や10年後の半導体サプライチェーン(供給網)の見通しを質問。ミラー氏は「明らかに、サプライチェーンは二極化の状況となる」と断言した。張氏は二極化の見通しに同意を示し、このような流れが確かに見て取れると話した。
(潘姿羽/編集:名切千絵)