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馬英九・台湾前総統が董事長(会長)を務める馬英九基金会は19日、馬氏が先祖の墓参りのため27日から12日間の日程で中国を訪問すると発表した。総統経験者が中国を訪問するのは初めてとなる。

(台北中央社)馬英九(ばえいきゅう)前総統が董事長(会長)を務める馬英九基金会は19日、馬氏が先祖の墓参りのため27日から12日間の日程で中国を訪問すると発表した。総統経験者が中国を訪問するのは初めてとなる。
来月7日までの滞在期間中、南京や武漢、長沙、重慶、上海などを訪れる。訪中には同基金会の人材育成プログラムに参加する大学生らを帯同し、現地の学生とも交流する予定。
馬氏の訪中について与党・民進党の陳亭妃立法委員(国会議員)は同日、取材陣に対し、中国の習近平国家主席が2019年の談話で、台湾と中国の窓口機関の間で1992年に形成されたとされる「92年コンセンサス」について「海峡両岸は同じく一つの中国に属し、国家統一を共に模索する」と定義したことを念頭に、「一つの中国と言うならば、馬氏はどのような役割で中国を訪問するのか」と疑問を呈した。その上で「(訪中は)個人としての行動であり、2300万人の台湾人を代表するものではない」と馬氏にくぎを刺した。
一方、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は20日、馬氏の訪中に必要な協力を提供すると述べ、歓迎する姿勢を示した。
馬氏の訪中は2016年5月20日の総統退任後初めて。
(葉素萍、林克倫、王承中/編集:荘麗玲)