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台湾高雄地方検察署(地検)は16日、国軍の特定階級・軍種の元将官らを中国に招いて現地の統一派団体関係者などと接触させ、中国への取り込みや組織化を図ったとして、羅志明元立法委員(国会議員)と夏復翔元海軍少将を国家安全法違反の疑いで台湾高雄地方法院(地裁)に起訴した。

(高雄中央社)台湾高雄地方検察署(地検)は16日、国軍の特定階級・軍種の元将官らを中国に招いて現地の統一派団体関係者などと接触させ、中国への取り込みや組織化を図ったとして、羅志明元立法委員(国会議員)と夏復翔元海軍少将を国家安全法違反の疑いで台湾高雄地方法院(地裁)に起訴した。
起訴状によると、夏氏は退役後の12年に海軍官校(士官学校)の校友(卒業生)会長になって以降、中国の統一派団体「黄埔軍校同学会」や「中国和平統一促進会」などの関係者らと面識を持ったという。
またゴルフを通じて夏氏と面識を持っていた羅氏は、中国・アモイにある台塩実業の子会社で董事長(会長)職を務めていた13年に知り合った中国空軍出身の父親を持つ中国人と夏氏を引き合わせ、無料の旅行に招待するなどして、中国への取り込みを図ったとみている。
検察の調べによれば、2人は13年から統一派団体の関係者らの指示を受け、元立法委員や元少将の立場を利用して台湾の元将官を中国に呼び、接待。事前に元将官の情報を中国側に渡し、統一派団体のメンバーや中国軍、政府関係者などと会食の機会を設けさせたという。
中国側は会食の機会を利用し「平和的な統一」や「一国二制度」、「武力による統一」などの思想をアピールした他、元将官の先祖の出身地や中国移住意志の有無などを確認し、取り込む目標を定めていたとされる。
検察の調べでは、2人は13年から18年まで、計48人の元将校らを孫文の生誕記念イベントへの参加や観光などを名目に、延べ13回訪中し、延べ194人を参加させたとしている。
(洪学広/編集:齊藤啓介)