2023-03-17 政治・国際

WBCで注目度急上昇の台湾チアリーダーの米国出張決定!「東京ドームにはいつ来るの?」

注目ポイント

「侍ジャパン」が東京ドームでの準々決勝でイタリアを破り、一気に盛り上がるWBC。アジア勢は台湾、韓国、中国ともに予選敗退。唯一残ったアジア代表として日本の活躍が期待される。このうち2013年WBCで日本と球史に残る熱戦を展開した台湾からは、日本の活躍に期待を寄せる声援とともに、再度の日台熱戦が幻となったことを嘆く声が噴出。事情は日本側も同様で、特に台湾プロ野球名物の人気チアガールに「会いたかった」との嘆き節がSNS上にあふれた。その台湾プロ野球の選抜チアリーダーたちがいかに活躍したか、読者に代わって台中まで駆け付けた台北在住のライター・広橋賢蔵氏が報告する。

WBCでの日本と台湾は、2013年3月、東京ドームで互角の好勝負を展開したのに加え、この時は多くの日本人が2011年の東日本大震災で巨額の義援金を寄せた台湾を応援するための活動を展開し、惜しくも敗れた台湾側からも「日本おめでとう」の声があがるなど、爽やかな交流を球史に刻んだ伝統がある。この試合後、台湾選手がアウェーでの試合を応援してくれたスタンドの日本の観客らに対し円陣を組んで一礼した様子も反響を呼んだ。

そうした日台熱戦の再現への期待に加え、台湾チアリーダーたちが躍動する姿を動画投稿サイトやSNS上で注目していた日本のファンたちも大いに落胆し、「あ〜あ、東京ドームで台湾のチアリーダーたちに会いたかったよ~」とため息まじりの声が飛び交ったのだ。

ところが台湾チアリーダーが活躍するのは、こうした国際大会の場だけとは限らないようで、初の海外出張イベントの動きも浮上している。

右端はチュンチュン(峮峮)
右がチュンチュン(峮峮)

米MLBが「Mets Taiwan Day」と題して今年8月27日、ニューヨークメッツのホーム球場で行われるゲームに楽天モンキーズの「楽天ガールズ」を招くことを決めたのだ。

モンキーズでは現在20人近くいる「楽天ガールズ」メンバーから籃籃、Yuri、林襄、孟潔、苡萱、雅涵の6人を選抜。選手に代わって台湾プロ野球の存在を米国で大いにPRするという大役を担うことになったというわけだ。

楽天ガールズが選ばれた背景には、他球団のチアリーダーに比較し、人数も充実し、リン・シャンやYuriなど人気チアリーダーの粒がそろっていることも評価対象になったかもしれない。

左端はリン・シャン(林襄)

これに関しモンキーズでは「台湾の各球団がチア軍団を持っていることは、台湾プロ野球の独自の文化。台湾プロ野球が培ってきた『応援経済効果』が野球の本場である米国の人々にも伝わったことはうれしいことだ」と語っている。

選抜隊をまとめる籃籃(ラン・ラン)は興奮しながら「とっても楽しみ。私の初訪米が、こんなふうに台湾の代表としての役割になるなんて驚いています。台湾の威信にかけ、めいっぱい踊りまくっちゃう!」と話している。

球場に花を添えるこの台湾のチアリーダー文化は、日本のいわゆる「アキバ系」「オタク文化」に影響を受けて育まれた一種のアイドルチームであるとも言われている。それを考えれば、日本でもこうしたチアリーダーカルチャーがもっと盛り上がってもいいと筆者は考える。事実、リン・シャンが13日から18日にかけて開催の「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/W」に参加しただけでも、SNSには「東京ドームにも来てほしい」の声が飛び交っているほど。米国に先を越されたが、彼女たちの日本出張もそう遠くはないだろう。台湾チアリーダーのファンが多い日本でも、いずれパワフルな彼女たちの応援ダンスが熱狂をもって迎えられるに違いない。

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