注目ポイント
台湾の花屋は儲かるのか? 数少ない大手花屋は、日本と比べものにならないほど華やかな結婚式やイベント事業で利益を確保し、個人経営の小規模な花屋は昔ながらの店頭販売と若年層をターゲットにしたネット販売に二極化している。一方、花業界という括りで見れば、最も儲かるのはフラワーレッスンの講師だが、そこには台湾ならではの懸念点もある。
日本でも台湾でも、「花屋さんって儲かるんですか?」という質問をお客様からいただくことがある。正直、儲かる花屋は儲かるし、儲からない花屋は儲からない。当たり前のようだが、儲かる花屋と儲からない花屋では仕事内容、従業員数、立地など様々な事情が異なる。だが、台湾と日本では儲かる花屋の本質は違うように感じる。今回は台湾で儲かっている花屋についてご紹介したい。
大手花屋のビジネス
日本でも百貨店に入っていたり、チェーン化している花屋は一般的には儲かっていると言っていいただろう。個人経営でいくら頑張ったところで、大手花屋と同じだけの売上を確保するのはそう簡単なことではない。そもそも資本力の違いがあったり、ビジネス自体が異なる場合が多いからだ。
台湾では、大手花屋と呼べる店は非常に少なく、チェーン化している花屋もほとんどない。花自体の需要が日本より少ないこともあるが、大規模展開したところで利益確保は難しいと思われる。というのも、台湾では安い国産の花が少なく、単価を上げようと思うとどうしても輸入品を使わざるを得ない。そうなると原価自体が跳ね上がり、売値も高くなることで購入者が減り、結果として利益率は低くなってしまう。
では、大手花屋はどこで利益を出しているのかというと、「結婚式」と「イベント事業」である。台湾のお金持ちたちは日本人には想像もできないほどの豪華な結婚式や結婚パーティを行う。ライブ会場やクラブのような演出でふんだんに花を使用したり、前撮り写真や結婚式本番でドレスを何着も着替え、その度に花束を持ち替えたりもする。
一方、イベント事業に関しては記者会見や大手企業主催のパーティーなど、BtoBのビジネスが大半を占める。予算自体も多いため、イベント会場の施工費やデザイン費などの部分でも利益を生み出すことができる。
大手花屋はこれらの大きなビジネスを抱えているからこそ、一等地に店舗を構えたり、多くの従業員を雇うことが可能になるのだ。また、店舗の利益は仮にマイナスであったとしても広告塔の意味合いが強く、これに加えてSNS広告やWEB広告も大量出稿することで、一般人に対しても知名度を上げることに成功している。
個人経営のビジネス
では、台湾の小規模な花屋や個人経営の花屋はどのようにして利益を出しているのだろうか。資本が少ない個人経営の花屋のメインビジネスは、「店頭販売」と「ネット販売」に分かれてくる。若い花屋は主にネット販売がメインで、20代〜30代の若年層を主なターゲットに、SNSを毎日更新したり、WEBマーケティングに注力している。日本よりSNSが浸透している台湾では必須のビジネス戦略と言えるだろう。