注目ポイント
「芝居は人生の如く、人生は芝居の如し」と言われる。ドラマを通して私たちは共感し、登場人物に自分の姿を重ねる。ひとつの国の文化や時代もドラマを通して表現できる。 台湾のはさまざまなプラットフォームを通して海外でも見られるようになり、この土地の物語を世界へと伝えている。
最近の素晴らしい作品を振り返ってきたが、今後はどのような作品が出てくるのだろう。
この業界で常に新しい世界を開いてきた瀚草は、家庭ドラマ、仮タイトル『百味小厨神(小さな天才シェフ)』を計画中だ。主人公は総舗師(台湾特有の野外宴会の料理長)の孫だ。祖父は亡くなった人々を大切にしていて、中元節になるとお供えのご馳走をたくさん作って無縁仏を供養していた。その孫が、祖父のレシピから中元節のご馳走を再現しようとする物語だ。このドラマを通して祖父母と孫世代の愛情を表現したいという。曾瀚賢は、こうして無縁仏まで供養するというのも台湾特有の文化だと言って笑う。
一方、大慕影芸は、先の『我們與惡的距離』と『做工的人』に続いて、2023年には3つ目の作品『人選之選――造波者(The Wave Makers)』を打ち出す。これも社会派のドラマで、選挙の背後で活躍する宣伝担当者の日常を描く。家庭と仕事、生活の間で折り合いをつけながら働く若い選挙スタッフと彼らの夢を追う。
大慕影芸CEOの林昱伶は、政治は敏感なテーマだが、日常のものでもあり、どの国にもそれぞれの選挙文化があると語る。この作品は、肩の凝らない滑稽なトーンで台湾の選挙文化のユニークさを表現するという。「非常に台湾的でありながら、他の国でも共感できる内容です」と言う。
また、公共テレビは『你的孩子不是你的孩子』に続いて2022年12月に同じくオムニバス形式の『你的婚姻不是你的婚姻On Marriage』を打ち出した。結婚相手との関係の脆弱さと困難を描き、前作に引き続いてSF的な設定もある。どの物語の主人公も未来のテクノロジーを使って結婚生活を維持するのだ。例えば、人の本心を教えてくれる聖筊(廟で願い事を神様に問う時に使う三日月形の二つの木片)、願いをかなえてくれるスマートマウスなどだ。緊張感のあるドラマは、人々に結婚についてあらためて考えさせる。
次々と面白いドラマが出てくるが、あなたはご覧になっただろうか。








転載元:台湾光華雑誌