2023-03-11 ライフ

台湾人からしたら謎?「台湾まぜそば」「台湾ラーメン」のルーツって?

© Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

台湾まぜそばや台湾ラーメンのように、「台湾」が冠に付いたグルメはもはやおなじみだが、とうの台湾人からすると「どうして台湾?」と疑問符がつくこともあるようだ。しかしそのルーツを辿れば、行き着くのはやはり台湾である。

「美味だけど、どこが台湾?」

牛丼チェーンの松屋が「台湾風まぜ牛めし」を期間限定で販売中だ。看板メニューの牛めしに半熟玉子、キムチ、海苔、青ネギを合わせ、豆板醤を効かせた特製のまぜダレと一緒に豪快に混ぜていただく丼ぶりメニューで、松屋フーズのウェブサイトによると「とんかつ業態の商品開発担当からの提案」で生まれたという。

松屋は昨年秋にも“松屋で世界の味”シリーズとして「魯肉飯」を限定販売しており、台湾風メニューはそれに次ぐ2作目。ただし、「美味」ではあるものの「どこが台湾なのかは謎」という意見がSNSでもちらほら挙がっているのが実情だ。

おそらくメニューの着想は、麺と具材を混ぜ合わせて食べる「台湾まぜそば」にあるだろう。そもそもこちらも「台湾」と銘打ってはいるが、台湾料理というわけではない、ご存知の方も多いように、名古屋の老舗中華料理店、味仙系列の料理人がまかないをヒントに考案した“名古屋メシ”、つまり日本発祥の台湾グルメなのだ。

もとを辿れば、やっぱり台湾

台湾まぜそばの誕生の地とされるのが、名古屋市中川区の麺屋はなび高畑本店。2009年にメニュー化されると2013年には「名古屋めし総選挙」で準グランプリを獲得し、その名は一気に全国区となった。各地のラーメン店でメニュー化され、インスタントラーメンや冷凍食品でも気軽に味わえる。ひとつのジャンルとして確立したといっても過言ではないだろう。

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この台湾まぜそばのルーツをさらに辿ると行き着くのが「台湾ラーメン」だ。元祖は前述の味仙。愛知県内を中心に東京や大阪にも展開する台湾料理店の名物メニューが誕生したのは約50年前、創業者で台中がルーツの郭明優氏が担仔麺(タンツーメン)をベースに激辛にアレンジしたまかない料理が始まりだったという。

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口コミでそのおいしさが広まると、1980年代以降は激辛ブームで認知度はさらに高まり、現在は名古屋市内のラーメン店の大半が台湾ラーメンを提供している。コンビニやスーパーの棚に「台湾ラーメン」のインスタントラーメンが並んでいるのもおなじみの光景となった。

いずれのグルメも台湾発祥ではないが、原点は台湾にある。食文化を通して「台湾」をこれほど日本に浸透させた“功労者”は、後にも先にも出てこないだろう。

 

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