注目ポイント
台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾で見つけたさまざまな食材を用いて、季節や年中行事に合わせたおつまみのレシピや相性抜群のお酒を紹介する月イチ連載。第五回は旬の菜の花と鶏ささみを中華風に味付けした「菜の花と鶏ささみの中華風和えもの」です。
今月のおいしい季節食材「菜の花」
旧暦で一年のはじまりとされる立春を過ぎて、台湾では少しずつ春を感じられる暖かい日が増えてきました。ほろ苦い独特の味わいが特徴の「菜の花」は、この時期に食べたい野菜のひとつ。アブラナ科の野菜の若い花芽を総称したものですが、台湾でも「油菜(ヨウツァイ)」または「油菜花(ヨウツァイホァ)」と呼ばれ、炒めものや和えものなどに用いられています。
陽気が高まり血の巡りがよくなる反面、花粉症や肌荒れ、体調不良などに悩まされる人も多くなる春。菜の花は、春と関係の深い部位「肝」の機能を高めてくれる食材でもあります。炎症を鎮めて目のトラブルやめまい、イライラを解消するほか、自律神経を整える働きも! 積極的に食卓に取り入れるようにしましょう。

今月のおつまみ「菜の花と鶏ささみの中華風和えもの」
今月は、ヘルシーでおいしい「菜の花と鶏ささみの中華風和えもの」のレシピをご紹介します。旬の菜の花に、安価で手に入りやすい鶏ささみを組み合わせて、塩と炒りごま、ラー油でシンプルに味つけしました。
花と茎の部分に分かれている菜の花は茹で加減が難しいと思われがちですが、下ごしらえをきちんとすればしゃきしゃきとした食感を保つことができます。また水っぽさをなくすのにもいくつかコツがあるので、ぜひ下記のつくり方を試してみてくださいね。
材料とつくり方
【材料(つくりやすい分量)】
菜の花 1束(200g)
鶏ささみ 正味250g
紹興酒 適量
塩 適量
炒りごま 小さじ2
ラー油 大さじ1
ガーリックパウダー 適量
フライドオニオン(またはフライドエシャロット) 適量

【つくり方】
- 菜の花はボウルに水を入れてふり洗いをした後、しばらく水につけておく。鶏ささみには塩をふり、紹興酒をまんべんなくふりかけて10分くらいおく。
- 沸騰したお湯に鶏ささみを入れて、5分くらいしたらフタをして火を止め、余熱で火を通す。冷めたら取り出し水気を切って、筋を除いて適当な大きさにほぐす。
- 菜の花を水から取り出し、根元を切り落として茎と花の部分に分ける。長いものは2〜3等分にカットする。茎の太い部分は縦半分に切ってもよい。
- 沸騰させて塩を加えたお湯で、菜の花をさっと茹でる。茎の部分を先に入れて30秒。その後、花の部分(つぼみ)を入れて30秒茹でたら、ざるにあげる。冷水にさっとひたしてから再びざるにあげて、キッチンペーパーでしっかりと水分を絞る。
- ボウルに菜の花、鶏ささみ、塩、炒りごま、ラー油、ガーリックパウダー、フライドオニオンを入れてざっくりと混ぜ合わせたらできあがり。

おつまみに合うお酒&ひとことメモ
ガーリックやフライドオニオン、ラー油の風味が食欲をそそる一品です。ビールや紹興酒、シェリーなどとの相性も抜群ですが、今の季節なら辛口ロゼスパークリングワインと合わせるのもおすすめ! 華やかなピンク色が気分を上げてくれますし、シュワッと爽やかな飲み口は中華の前菜にぴったりです。
菜の花は最初に水にひたして、抜けた水分を戻してあげると仕上がりに差が出ます。また茹で時間を短めにしてしっかりと水気を切ることで、ほかの食材とのなじみがよくなり、時間をおいてもおいしく食べられますよ。
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