2023-03-09 流台湾

語学は?学歴・職歴は?台北の日本人花屋店主が紹介したい“現地採用”のこと

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注目ポイント

台湾で日本人が働くために必要なことは? 台北で花屋を営む日本人店主が、台湾で働きたい日本人が面接や就職で役立つ内容を紹介する。

台湾で働きたい日本人に必要なこと

私が台北で経営する花屋では、旧正月やバレンタイン、そして、これから控える母の日などには多くの臨時アルバイトに手伝ってもらっている。普段は台湾人スタッフだけで店を回しているが、このようなビッグイベントの際は、日本人のお客さんも多く来店されることから、日本人にも求人の幅を広げて募集している。

アルバイトとして手伝ってくれる日本人は、配偶者が台湾人という方や、台湾の大学に留学している学生が大半だ。彼らと話をしていると、共通の悩みを持つ人が多いことに気がついた。それは「台湾に就職先がない」ということである。全くないわけではないと思うが、話を聞くとさまざまな理由から面接をしても落とされているようだ。私の店でも日本人から働きたいと問い合わせをいただくことがあるが、今までそういった形で採用した正社員の日本人はいない。そこで、今回は、台湾で働きたい日本人が面接や就職で役立つ内容をご紹介したい。

最低限必要な中国語は話せること

台湾にいる日本人は、駐在員がメインであり現地採用や現地で起業した人は少ない。駐在員の多くは数年で日本へ帰国するため中国語を話す必要のない人が多い。だが、現地採用されたい人や、現地で起業したい人なら中国語は最低限必要なスキルである。多くの台湾人が日本語を話せることから、日本語と中国語を話せる台湾人を採用する方が、企業にとってもメリットが大きいからだ。

ちなみに、私が見てきた限りビジネスレベルの中国語を話せる台湾在住の日本人はほとんどいない。もちろん、それができるなら就活の苦労も少ないだろうが、実際は日常会話すらできない人がたくさんいる。言語学校で勉強して1年もすれば働けるだろうと思っている人も多いのだが、そのレベルで仕事をするのは無理である。もし現在中国語が話せなくて台湾で仕事をしたいと思っているのであれば、本気で日常会話レベルの中国語を最優先で習得すべきである。

学歴と職歴どちらが重要か

台湾では、日本よりも学歴社会が顕著である。どこの大学の何学部を出ているか、大学で何をしていたかを重視する傾向が企業側も強い。だが、これは新卒採用や大手企業の話であり、一般企業への転職の場合には職歴重視の場合が多い。台湾は日本のような終身雇用のシステムではなく、転職を繰り返し様々な業種や業界を経験していることが転職の際に評価されるからだ。即戦力を求めている企業も多いため、自社に関連する職歴がある人は採用されやすい。

私の店でも正社員を募集することがあるが、今まで面接で学歴を気にしたことはない。花業界という一般企業とは少し違った業態ではあるかもしれないが、基本的に私は本人の人柄、本気度(台湾では簡単に離職する人が多いため)に加え、職歴を重視している。どこかのお花の資格を持っているとか、有名な先生のレッスンに通っていたなどと自慢してくる人もたくさんいるが、正直評価には全くプラスにならない。資格やレッスンは、お金と時間を使えば誰でも取れるからである。

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