2023-03-14 ライフ

【台湾の銀髪産業が急成長!】大注目の銀髪族向け市場とサービス

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注目ポイント

日本と同様に急速な高齢化が進む台湾で、65歳以上の高齢者を指す「銀髪族」を対象にした銀髪業界が急成長を遂げている。健康・美容、趣味・娯楽、介護・生活ケアと、注目される3つの関連市場の動向を概観する。

こんにちは、台湾大好きライターの津山です。今回は、台湾で非常に注目が高まっている「銀髪族」と関連産業について、ご紹介します。

「銀髪族」とは、英語の「silver hair」を語源とする、いわゆる65歳以上の高齢者を指します。早期退職等で余暇を楽しむ65歳以下の世代が含まれることもあります。

日本では2007年に、65歳以上が人口の25%を占める超高齢社会に突入しました。台湾も日本と同じく、少子化により急速に高齢化が進み、2025年には超高齢社会に突入すると予測されています。

そこで現在、台湾で今後の成長が期待されている分野が、上記の高齢者を対象にした「銀髪産業」です!

台湾では、退職後、余暇を利用して、太極拳や語学の勉強に励んだり、海外旅行を楽しんだりする銀髪族の方も多く、銀髪族を対象にした商品やサービス開発が、非常に盛んになっています。

そこで今回は、台湾在住の筆者から、台湾の銀髪産業市場の概要や、注目の産業やサービスについて、日本との比較を交えつつ、ご紹介したいと思います。

日本に迫る!台湾の銀髪産業市場の規模

台湾では2018年に65歳以上の国民が343万人、全体の15%を超える高齢社会に突入しました。

現在、台湾では平均年4%のペースで65歳以上の高齢者が増加しており、日本よりも短い、たった7年間で、人口の20%(約470万人)を越える超高齢社会に突入する、と予想されています。

上記の高齢者を対象とした、台湾の銀髪消費市場は、ITRI(工業技術研究院)によると、2025年までに、台湾の1年の国家予算(2兆7千億元)を軽く越える3兆6千億元に達する見込みです。

日本の場合、2025年には65歳以上の高齢者が3,600万人、それに伴うシニア向け産業の市場規模は、100兆円を超えると予想されています。日本と比較しても、台湾の銀髪族の市場は、負けず劣らずのスピードで拡大し続けています。

ニーズが急成長!台湾銀髪族を対象とした3大注目産業分野

では続いて、現在、台湾で注目を集めている銀髪族を対象とした3つの産業分野をご紹介します!

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その1. 健康・美容関連市場

台湾の銀髪族は健康や美容に対する関心が高く、そのニーズに応える市場が注目されています。

例えば、台湾国内における健康食品の生産額は、2020年までの10年間で4倍に膨れ上がり、906億元に達しました。一方、銀髪族を対象とする健康食品の市場規模は、約470億元と推定されており、ほぼ半分が、銀髪族のニーズに支えられていると言えます。

また美容に関しては、マンダリン版のThe News Lensにも取り上げられている、化粧を通じて生活をより豊かにする「化粧療法」を通じたケア市場が、注目を集めています。

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