2023-03-01 政治・国際

億万長者233人に取材した著者が明かす 成功の秘訣「共通のきっかけは転職だった」

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注目ポイント

過去5年間に233人の大富豪たちをインタビューした米ファイナンシャルプランナーで経済本の著者トム・コーリー氏。これまでの取材から、億万長者にとって成功につながった一番の決め手は、転職だったという。それが、どういうきっかけだったのか、同氏は実例を挙げて紹介した。

経済本「Rich Habits」(2010年)や「Effort-less Wealth」(20年)などの書著で知られるコーリー氏は先週、米CNBCの経済サイト「Make it」に寄稿。その中で、大富豪と呼ばれる人たちのが、その後の成功につながった考え方や行動を解説した。

過去5年でコーリー氏がインタビューした大富豪233人のうち、51%は起業家、28%は一般的な9時~5時の勤務、18%は大企業の重役。その他は3%だった。だが、一つだけ共通していたのは、「このままでは成功できない、富を得られない」と考え、キャリア途中で転職していたことだった。それにより、会社を辞めて起業したり、成長性があって高報酬の仕事にたどり着いたのだという。

仕事を辞めるきっかけになったものとは何か?

コーリー氏によると、億万長者の多くは以前、「働く自分がゾンビのようだ」と感じていた。つまり、退屈で、能力や才能を発揮できない、単純な繰り返し作業から抜け出すことが、結果的に富を得ることになったという。

コンテナ輸送会社で働いていたある大富豪は、自分が十分に活用されていないと感じ、最終的に会社を辞め、同業他社の仲間と合同で国際コンテナ輸送企業の米国支社を立ち上げた。彼らは現在、年商数十億ドル(数千億円)規模に成長した同社の重役だ。

〝有害な上司〟も辞職のきっかけ

要求が厳しく、利己的、傲慢で、部下の意見をほとんど無視するような上司では、目標を達成することはできない。ある億万長者は、建設的なフィードバックをするのではなく、ただ単に批判するだけの上司にはうんざりしたと振り返り、同じように感じた多くの従業員を引き連れ、自分で住宅建設会社を立ち上げ、大成功した。

恐ろしい職場文化

嫌がらせのようなうわさ話がはびこる職場では、毎日出勤することに誰もが憂鬱になる。そんな職場環境の会計事務所の責任者だったある男性は、数か月間の再就職活動を経て、競合他社からのオファーを受けて転職。新たな職場で着々と出世を重ね、共同経営者にまで上り詰めた。

報酬への不満

転職に迫られるきっかけとなる典型例は、毎月の給料が支払いに追いつかないことだ。理想的な休暇を過ごす余裕も、家を買う十分な資金を貯める余裕もない。そんな状況で、大手自動車販売店で働いていたある人は、一念発起して独立。家族や友人からの資金援助を受け、独自のカーディーラー会社を立ち上げ、フランチャイズ化。莫大な富を築くことができた。

通勤の苦痛

億万長者になったある女性。ニュージャージー州の自宅からニューヨーク市まで長距離通勤をしていた。彼女は通勤に疲れ果て、自宅から近い職場を探すことにした。無事、同州に本拠を置く別の製薬会社に転職。順調に上級職に昇進し、巨額のストックオプションを手にして早期退職した。

不安定な業界

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