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台湾の国民党政権に抵抗した台湾人が弾圧された「2・28事件」から76年となった28日、50以上の民間団体による記念イベントが台北市内であった。

(台北中央社)国民党政権に抵抗した台湾人が弾圧された1947年の「2・28事件」から76年となった28日、50以上の民間団体による記念イベントが台北市内であった。一行は事件ゆかりの地を歩き、権威主義の象徴の撤廃を訴えた。
同事件は1947年2月27日、同市で闇たばこを販売していた女性に官憲が暴力を振るったのを発端に同28日以降、抗議デモが台湾全土に広がり、国民党トップの蒋介石に派遣された軍隊がデモ隊などを武力鎮圧した事件。多数の死傷者・行方不明者が出た。
イベントには人権派弁護士、李勝雄さんが参加した。メディアの取材に応じた李さんは、蒋介石のひ孫に当たる蒋万安(しょうばんあん)台北市長が謝罪すべきかと聞かれた際、「万安氏本人の問題だ」としながらも、蒋介石像など権威主義の象徴を「愛の力」で撤去してほしいと期待を寄せた。
万安氏はこの日、台北市内で開かれた関連のイベントに昨年末の市長就任後初めて出席。「複雑な心境だ」と明かした他、闇たばこの取り締まりが引き金となって起きた同事件に対し「心からお詫びする」と謝罪した。会場では市民らが万安氏に抗議する場面も見られた。
(葉素萍/編集:荘麗玲)