注目ポイント
台湾でデジタルマーケティング会社を起業した日本人経営者が、日本企業が台湾へ進出する際に避けるべき3つのポイントを語るコラム。
みなさんこんにちは!台湾で2017年に起業し、2023年9月に台湾起業7年目を迎える applemint 代表の佐藤峻です。
今日は「台湾企業の日本苦戦から学ぶ日系企業の台湾進出」、というテーマでコラムを書きたいと思います。
結論から言うと、
1) 自分達の強みが活かせるポジションで勝負をする、
2) 長期的な視点と変化への適応、
3) 現地の人による経営、
が台湾進出で大事かなと思います。どれも当たり前に聞こえると思いますので今日は台湾企業の日本進出の実例を交えてお話しします。
僕の会社では円安が始まった2021年 ~ 2022年にかけて台湾企業の日本進出の相談が増え、今まで数社をサポートして来ました。
みな色々な考えを持っていて、やれ 「日本の Amazonに出店したい!」、「XXの展示会に商品を出したい!」、「日本人に対してデジタルマーケティングをしたい!」など本当に色んなアイデアを僕らにぶつけてきました。
ただ現実は厳しくて、僕らがお手伝いをしてきた台湾の企業のほとんどは日本で苦戦しています。僕らの力不足というのも原因の一つかもしれませんが、大体どこも共通して短期的な視点なのは間違いないかと思います。
日系企業は台湾に進出する際、Exit プランを持っていない事が多く、損切りができずに割と粘るのですが、一方の台湾企業は驚くほど早く損切りをします(笑)どっちが良い悪いというより、両者一長一短といった感じです。
人も企業もいい所を真似るのは難しい一方で、悪い所を避けるのは割とできます。そこで、今回は僕が見てきた台湾企業の苦戦事例を基に、日系企業が台湾に進出する際に避けるべきポイントをお話しできればと思います。
ポイント1. 自分達の強みが活かせるポジションで勝負をする
まず、現実として台湾の商品やサービスは、品質の面において日系企業の商品より優位に立つ事はあまりないと思います(半導体など一部の商品を除いて)。
これは当たり前といえば当たり前で、日本の商品の多くは日本国内の日本人向けに作られています。従って台湾企業は自社商品を日本人向けに改良したり、超グローバル水準にでもしない限り正面突破は難しいでしょう。
しかしビジネスというのは面白く、商品やサービスの質が高い企業だけが儲かるわけではありません。
自分達の強みを必要としている人に適切にリーチすれば勝算はあります。僕はこれを、「自分の土俵で戦う」と表現しています。
僕らがお手伝いした某台湾ソフトウェア企業は日本という敵地に正面から突破しようとして苦戦を強いられました。