2023-02-27 政治・国際

総統府顧問の辜寛敏氏死去 台湾独立運動を推進

注目ポイント

台湾独立派として知られる総統府資政(顧問)の辜寛敏(こかんびん)氏が27日午前8時55分ごろ、台北市内の病院で死去した。96歳だった。

辜寛敏氏(中央社資料写真)

(台北中央社)台湾独立派として知られる総統府資政(顧問)の辜寛敏(こかんびん)氏が27日午前8時55分ごろ、台北市内の病院で死去した。96歳だった。辜氏が董事長(会長)を務める「台湾制憲基金会」が明らかにした。

辜氏は日本統治時代の1926(昭和元)年生まれ。30過ぎから半世紀以上にわたって台湾の独立と正常な国としての地位の獲得を志してきた。同基金会によれば、辜氏はかつて安倍晋三元首相に台日の関係は密接で不可分だと伝えたことがあり、これが後に安倍氏が提唱した「台湾有事は日本有事」の考え方につながったという。

同基金会は追悼の場を用意する予定。詳細については追って発表するとしている。

総統府の林聿禅(りんいつぜん)報道官によれば、蔡英文(さいえいぶん)総統は訃報を受け、辜氏が生涯をかけて台湾の主体性を守ったことに感謝を表明。台湾の民主主義や自由、本土化を推進してきたことをたたえ、辜氏の冥福を祈った。

(葉素萍/編集:荘麗玲)

2001年、立法委員選立候補者の合同選挙集会で李登輝元総統と握手する辜寛敏氏=台北・大安森林公園で2001年10月30日撮影(中央社資料写真)

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