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寒さや鳥インフルエンザなどの影響により台湾で卵が不足している。

(台北中央社)寒さや鳥インフルエンザなどの影響により台湾で卵が不足している。行政院(内閣)農業委員会の陳吉仲(ちんきちちゅう)主任委員(閣僚)は21日夜、フェイスブックを更新し、多くの消費者が卵を買えない事態となっていることに陳謝。「全力で鶏卵産業の競争力を高め、安定して消費者の需要を満たす」との方針を示した。
卵不足を巡っては、鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏がこの日午前、フェイスブック上で「短期間内での問題の収束が見通せない」と指摘。「人民が求めているのは、問題を解決する政府であり、問題を説明する政府ではない」と民進党政権を批判していた。

これに対し陳氏は、昨年末に採卵鶏を産む種鶏6万羽を輸入し、現在毎週約49万羽の採卵鶏のひなを養鶏場に提供していると説明。卵を十分に供給できるようにすると強調した。
また国内にある約2200カ所の養鶏場のうち、約1800カ所が天候やウイルスの影響を受けやすい開放鶏舎であるとし、今後は無窓鶏舎などへの転換に期待すると述べた。
その上で、最近3〜4年の国内で必要とされる卵の数は1日当たり2400万個なのに対し、現在の供給量は2260万個だとし、加工用の卵をスーパーや市場に供給する他、鳥インフルエンザ対策にも取り組み、供給量を正常に戻したいと語った。
行政院の鄭文燦(ていぶんさん)副院長(副首相)はこの日、北部・台北市で開かれた商業団体主催の夕食会出席前にメディア取材に応じ、さまざまな方法で増産に向けた努力をしているとして、3月初旬には卵不足が緩和されるとの見通しを示した。
(温貴香、楊淑閔/編集:齊藤啓介)