2023-02-23 政治・国際

国軍、実戦想定の射撃訓練を強化 将来は1年間の義務兵も対象に/台湾

注目ポイント

中国軍により台湾海峡の平和と安全が脅かされる中、兵士の射撃精度を高めるため、国軍は今年から実戦を想定した射撃訓練の実施を進めている。

国軍、実戦想定の射撃訓練を強化 将来は1年間の義務兵も対象に 台湾

(桃園中央社)中国軍により台湾海峡の平和と安全が脅かされる中、兵士の射撃精度を高めるため、国軍は今年から実戦を想定した射撃訓練の実施を進めている。射撃の姿勢については従来のうつぶせになって撃つ伏射に加え、新たに片膝を立てて撃つ膝射や立った状態で撃つ立射が取り入れられた。

国軍によると、新たな射撃訓練は志願兵だけでなく、2024年から導入される1年間の義務兵も対象になるという。

陸軍は従来の訓練について、決まった距離や方向にある一つの目標に対して、一つの姿勢で射撃を行い、変化に乏しかったため、複雑な環境に対応しづらかったと指摘。現在は限られた時間内に照準を合わせて射撃し、弾倉の交換、故障の対処、移動する目標や複数の目標への攻撃も可能となったと説明した。

21日には北部・桃園市の基地で訓練の様子が報道陣に公開された。目標から125メートルの位置で待機していた兵士は命令を受けた後、2つの障害物を避けながら50〜75メートルの位置に前進。伏射、膝射、立射の姿勢でそれぞれ12発を撃った。規定では1分45分以内に全ての動作を終わらせる必要がある。また時間を超過した場合や一定の命中率を達成しなければ不合格になるという。

新たな訓練の責任者、歩兵訓練指揮部の張家華少校(少佐)は従来の訓練との違いについて、心肺機能を強化しなければならないと強調。別の関係者は、銃を持って迅速に移動した後に呼吸をすぐに整えなければ射撃が安定しないと訓練の難しさを語った。

(游凱翔/編集:齊藤啓介)

あわせて読みたい