注目ポイント
中央感染症指揮センターの王必勝(おうひっしょう)指揮官は20日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために設けているマスク着用規定について、5月にも完全撤廃する可能性があるとの見解を示した。

(台北中央社)中央感染症指揮センターの王必勝(おうひっしょう)指揮官は20日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために設けているマスク着用規定について、5月にも完全撤廃する可能性があるとの見解を示した。ワクチンの接種状況や感染状況を考慮して判断するとしている。
台湾は昨年12月に屋外での常時着用規定を撤廃したのに続き、20日には屋内での着用についても一部例外の場所や状況を除いて「個人判断」に切り替えた。医療機関やケア施設、公共交通機関などの場所では引き続き着用が求められる。発熱時の他、高齢者や免疫機能が低下している人が外出する場合、人が集まる場所で適切な距離が保てない場合など特殊な状況下ではマスクの着用が推奨される。
王氏は20日の記者会見で、次の段階の緩和はマスクの着用を義務付ける場所をなくすことだと説明。実施時期は国内のワクチン接種率や今後の感染状況を観察して判断する必要があるとし、「5月に(実施の)機会があるかについては、あると思う」と述べた。
衛生福利部(保健省)疾病管制署の統計によれば、1回の接種を済ませた人の割合は全国で89.5%に達しているものの、75歳以上では82.2%にとどまっている。王氏は高齢者の接種率が高くなく、最近の死者の半数以上がワクチンを1回も接種していないことを指摘。完全な制限撤廃に向かうには、ワクチン接種率が重要な課題だとした。次世代ワクチンに関しては、インフルエンザと同様、年1回の接種を推奨する方針を明らかにした。
(陳婕翎、余暁涵/編集:名切千絵)