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2023-02-26 ライフ

先生と生徒が花を贈り合うことも。花屋から見える台湾の「先生」と「生徒」の関係性

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

「先生」と「生徒」の関係性といえば、日本ではどうしても上下関係が生まれがちだが、台湾では程よい距離感が築かれていることが多い。台湾で花屋を営む日本人経営者が、花屋的な視点から見た文化の違いとは?

私が台湾で経営している花屋「玉屋花苑」では、花のレッスンも開催している。季節の花を使用したフラワーアレンジメントと花束のレッスンがメインだが、いけばなのレッスンや花の造形のレッスンも生徒の要望に応じて開催している。また、大学や高校で臨時講師を務めたり、企業のVIP顧客向けレッスン、インバウンドのイベント会場での花のパフォーマンスなどもやらせていただいている。

「先生」として講師業を行っていると、さまざまな文化の違いが見えてくる。その中でも生徒との関係は日本ほど難しくないとよく感じる。先生と生徒の関係は、友人や先輩・後輩の関係でもあると考えている私にとって、台湾ではそれほど気遣いしなくても生徒と程よい距離感が築けるからだ。

台湾では「先生」と呼ばれる仕事は少ない

そもそも、日本で「先生」と呼ばれる仕事が非常に多いことは皆さんもご存知のとおりである。学校の先生や習い事の先生だけでなく、政治家、医者、作家なども先生と呼ぶ日本の風習に対して、台湾人たちは理解に苦しむようだ。台湾で「先生(老師)」というのは、「何かを教えている人」を指す場合が多く、先生といえば学校の先生、塾の先生、習い事の先生などに限られるためだ。

小中学校の先生は若い人が多い

近年、日本の学校ではモンスターペアレントやいじめ問題など、学校の先生たちは日々さまざまな問題を抱えご苦労されていることであろう。台湾でも同様の問題は多々あるものの、基本的には学校の先生は日本ほど親御さんや生徒との対立は少ないという印象だ。

というのも、台湾の先生は20代や30代前半など若い先生が多かったり、親御さんとも年齢的に近いため、先生とも話しやすいという声をよく耳にする。また、日々の連絡などのやりとりを直接LINEでするなど、気軽に相談できる環境が整っている学校も少なくない。ただ、それでも主張が強い人やいわゆるクレーマーがいることは日本と同じである。

習い事の先生は尊敬されやすい

一方で、習い事の先生はとても尊敬される傾向がある。私もフラワーレッスンの教室を開催していると、生徒たちから尊敬されているとよく感じる。

例えば、新年度の挨拶や年末の挨拶などの時に菓子折りを持ってきていただいたり、子供の親御さんが丁寧に挨拶しにきたりする。

また、花屋としても習い事の先生と生徒の関係を垣間見ることがある。台湾ではピアノの先生や英語の先生の誕生日に花を贈りたいという方はとても多い。そして先生の帰国、異動、退職など重要な機会には、必ずと言っていいほど花やプレゼントなどを贈る。お子さんの生徒が自分で選んだ花で作った花束をもらった先生から、お礼に花を贈り返したいというご注文をいただくなど、先生と生徒の関係が親密であることが分かる。こういった文化を知れることも花屋ならではのことなのかもしれない。

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