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米国のバイデン米大統領が20日、ウクライナを電撃訪問したことを受け、ロシアメディアが猛烈に反発している。米リベラル系メディア「デイリー・ビースト」によると、ロシア国営テレビの報道番組で、専門家らはバイデン氏暗殺の是非まで議論したという。一方、プーチン露大統領は、ウクライナ侵攻から丸1年となる24日を前に、連邦議会で演説し、「ロシア防衛のための軍事作戦」を正当化し、継続する姿勢を強調した。
バイデン氏とゼレンスキー氏の共同記者会見の映像を映し出すモニターを指差しながら、スカベエバ氏は、「これがウクライナ大統領にとって最高の時間だ」と淡々と述べた。
また、プーチン大統領の顧問だったとされる政治アナリストのセルゲイ・マルコフ氏は重いため息をつき、キーウについて、「われわれは今そこに行けないことが悔やまれる。ロシア軍におかげで、われわれが誇るその都市(キーウ)を訪れることができるように願う。今、〝占領軍〟のジョー・バイデン米大統領が美しいキーフの街を満喫しているように」と述べた。
続けて、「バイデンにとって、これは大きな勝利だ。次の選挙で、もう1期出馬できる条件は完ぺきに整った」と皮肉を込めて、そう語った。バイデン氏は現在80歳で、2期目出馬については意向を表明していない。
一方、プーチン大統領は、ウクライナ侵攻開始から丸1年になる24日を前に21日、モスクワで連邦議会に対する年次報告演説を行った。その中で、ロシアは平和的手段でウクライナを巡る危機の解決を試みてきたが、米欧などに無視されたなどと述べ、軍事侵攻を改めて正当化した。
その上で、「わが国への脅威を取り除き安全を確保するため、必要な課題を解決していく」と強調し、侵攻を継続する姿勢を強調した。また、ウクライナを軍事支援する米欧を非難し、24日でちょうど1年となる軍事作戦を支持する国民の「勇気と決断に感謝する」と訴え、一層の結束を呼びかけた。
一方、ポーランドの首都ワルシャワを訪問中のバイデン氏は21日(日本時間22日)、ロシアの侵攻から1年を前に同地で演説し、「欧米のウクライナ支援は揺るがず、北大西洋条約機構(NATO)が分断されることもない」と述べ、侵攻は「決してロシアの勝利にはならない」と断言した。
NATOの最前線であるウクライナの隣国ポーランドで米欧の結束を誇示し、ロシアをけん制した。