注目ポイント
シンガー、俳優として活躍するAARON(炎亞綸/アーロン)のライブイベントが今月初頭、東京・下北沢で開催。人気アイドルグループ飛輪海(フェイルンハイ)のメンバーとして2005年にデビュー以来、台湾を超えてアジア中から熱い支持を集めてきた彼のライブはどんな盛り上がりを見せたのか? デビュー直後から傑出した才能の成長を見守ってきたワールドミュージック評論家の関谷元子さんがつづります。
リラックスしてとても楽しそう。
また、宇多田ヒカルの「First Love」を歌う前には、初恋についての話を。
「『初恋』という映画があって、観た? 9歳のドイツ人の男の子がいて、ある日宿題が出るんだ。それは『どうしたら愛を広げられるか』というもので、彼は考える。まず一人にやさしくする、そしてその人に、他の3人にも優しくしてね、と言う。そうするとすぐに世界中の人に届くんだよ。僕はそういう風に広げたいんだ。愛はとても大切」
次のMCでは、ごはんの話に。
「食べ物をデリバリーするアプリってあるよね? 東京でそのアプリを開くと、スクロールしてもなかなか下までいかない。台北だとすぐ終わるよ。だから東京ではチョイスが難しんだ。これだと1カ月いても食べきれない。デリバリーは、温かさと愛を届けてくれるよね。
で、僕が言いたいのはね、ここ数年心が暗闇に覆われている人がいると思うんだ。だから、僕は太陽になる。いつでもどこでも温かく感じることのできる歌を歌う。それを皆さんに届けられたら、本当に嬉しいことなんだ」
バンドのTAKUYAは中国語勉強中ということで、アーロンとの掛け合いも楽しく、和気あいあいのライヴは、あっと言う間に終わった。
アーロンのアルバム「Vacation」はほぼ英語で歌われる。アーロンの音楽の広がりを感じさせるR&Bバラードから始まり、タイトル曲「Vacation」はダンサブルなアップ・テンポのライトな雰囲気がとても楽しい。アーロンの英語のヴォーカル、良く乗っている。ミドル・テンポのロック「Who Do You Think You Are」も聴かせるし、最後に入っている「Celebrate」は元気をもらえる曲。様々なサウンドが作るウェルメイドなポップ・アルバムになっているのだ。
AARON「Vacation」(AARONのYouTubeチャンネルより)
終演後にアーロンに挨拶できたが、ライヴで歌った台湾の人気シンガー・ソングライター、クラウド・ルーの大ヒット曲「魚仔」については、「大好きなんだ~台湾語歌える?」と台湾語の部分を歌ってくれたり、まさにスターの気遣いと明るさとやさしさを持ち合わせていた。
音楽に深みを持たせながら華やかなもあるアーロン、これから日本でも活躍してほしいと思う。
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