注目ポイント
シンガー、俳優として活躍するAARON(炎亞綸/アーロン)のライブイベントが今月初頭、東京・下北沢で開催。人気アイドルグループ飛輪海(フェイルンハイ)のメンバーとして2005年にデビュー以来、台湾を超えてアジア中から熱い支持を集めてきた彼のライブはどんな盛り上がりを見せたのか? デビュー直後から傑出した才能の成長を見守ってきたワールドミュージック評論家の関谷元子さんがつづります。
NHKと台湾のPTS(公共電視台)の共同制作ドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス~」に出演した、台湾のシンガー/俳優のAARON(炎亞綸/アーロン)のライヴ・イヴェント「炎宇宙@aayan1120~日本公演~」が、2月4日・5日、東京・下北沢のライヴ・ハウスShangri-laで行われた。
アーロンは、日本でもアルバムがリリースされ、何度もイヴェントを行ったアイドル・グループ飛輪海(フェイルンハイ)のメンバーとして、2005年にデビューした途端大人気になり、台湾以外にもアジア中から熱い視線が注がれるようになった。
飛輪海は、日本のコミック「花より男子」を台湾ドラマ化した「流星花園」から出てきたアイドル・F4の人気になぞらえて、「ポストF4」の筆頭と言われたこともある。
私もデビュー直後に飛輪海の4人にインタヴューしたが、メンバーは見事に異なるキャラクターが魅力で、その中でもアーロンには内省的な印象を受けたことを覚えている。その後、香港の音楽祭で会ったときは、すでにソロで活動していて、スター性がぐんと増していた。

そして、今回のライヴ。
会場に入ると、超満員のファンが今か今かと待っている熱い雰囲気。
日本人のミュージシャンを従えて始まったライヴは、まさにライヴ・ハウスでのライヴという感じで、衣装を替えたりすることもなくカジュアルなスタイルで通した。新しいアーロン。
アーロン、ソロ・シンガーとして2015年には、元JUDY AND MARYのTAKUYAが作曲・プロデュースしミッツ・マングローブが作詞した日本オリジナル1stシングル「MOISTURIZING」をリリースしている。TAKUYAとの縁は深まり、2021年に配信リリースした「Vacation」でも数年前からTAKUYAとの共同作業を行っていたという。ついに完成しレコ発ライヴを、と計画していたところ、コロナ禍に。今回はやっとライヴが実現した、ということだそうだ。
AARON「MOISTURIZING」(ポニーキャニオンのYouTubeチャンネルより)
ライヴはアップ・テンポの日本語の曲から始まり、明るいパワー全開。その後バラードが続き、時にはレゲエ調の曲もあったりと多彩だ。アーロン自身は、最初から最後まで本当に楽しそうで、見ていると思わず微笑んでしまう。
「お久しぶりです。コロナが生活を変えてしまって、本当に久しぶりになってしまいました。台湾ではリアリティ・ショー番組に出ていたんだけど……」とアーロンが会場に語りかけると、会場からは「見てるよ~」の声。「え? ほんと? 嬉しい」と満面の笑み。