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2023-02-21 政治・国際

北朝鮮が日本海に向け連日のミサイル発射 ICBM発射に反応した米韓へ〝逆ギレ〟か

© Photo Credit: GettyImages 北朝鮮のICBM「火星15」

注目ポイント

北朝鮮が20日、弾道ミサイル2発を相次いで日本海側に発射した。これは同国が18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受け、米国が19日、日韓とそれぞれ共同訓練を実施したことへの〝逆ギレ〟だったとみられる。米FOXニュースは、北朝鮮が日米韓の軍事演習に対して過敏になり、「かつてないほど強い反応を示している」と報じた。

北朝鮮は20日午前7時ごろ、弾道ミサイル2発を日本海側に発射。それぞれ約400キロと約350キロ飛行し、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に着弾したとみられる。韓国軍によると、2発は短距離弾道ミサイルで、西部・平安南道粛川付近から発射されたという。北朝鮮は18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、日本のEEZ内に着弾したばかり。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は20日、「太平洋をわれわれの射撃場に活用する頻度は、米軍の行動にかかっている」との談話を発表し、日本列島を越える形の弾道ミサイル発射を警告した。また、北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、西部に展開する朝鮮人民軍部隊が軍事デモンストレーションとして、口径600ミリの超大型放射砲(多連装ロケット砲)2発を発射したと報じた。

そんな中、国連安全保障理事会は20日(日本時間21日)、北朝鮮によるICBM発射への対応を協議する緊急会合を開いた。米国は北朝鮮を非難する議長声明案を近く再提出する考えを示した。中国とロシアは北朝鮮を擁護し、米国が韓国や日本と実施している軍事演習が緊張を高めていると主張した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「拒否権を持つ2か国が全ての努力と意味ある対応を止めている」と述べ、中国とロシアを非難した。日本や英国などは米国の議長声明案を支持する考えを表明した。

中国とロシアの代表は、米韓合同軍事演習の発表がICBM発射の引き金になったと述べた。

北朝鮮メディアは19日、新設組織とみられる「ミサイル総局」傘下の大陸間弾道ミサイル(ICBM)運用部隊が18日午後、ICBM「火星15」の抜き打ちの発射訓練を首都平壌の平壌国際空港で実施したと報道。ICBMの発射訓練で「目標水域を正確に打撃した」とした上で、「われわれの強力な物理的核抑止力の信頼性」を証明したとしている。金正恩総書記は訓練に立ち会わなかった。

金与正党副部長は19日に米韓を非難する談話を出し、金正恩氏に委任された言葉として「敵の行動一つ一つを注視し、敵対的行為のすべてに強力で圧倒的な対応を実施する」と警告した。

北朝鮮のICBM発射を受け、米国は19日に戦略爆撃機などを用いた合同軍事演習を日韓それぞれと実施した。韓国軍合同参謀本部によると、韓国のF‐35A、F‐15K、米国のF‐16戦闘機が米国のB‐1B戦略爆撃機を護衛する演習は、両国の「圧倒的」な防衛能力と即応態勢を示したほか、「共同作戦能力を強化し、米国による朝鮮半島の防衛と拡大抑止実施に対する揺るぎないコミットメントを確認した」という。

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