注目ポイント
台湾では昨日(2月20日)、室内でのマスク着用義務が緩和された。去年12月の屋外でのマスク着用義務緩和に次いで少しずつコロナ禍前の日常が戻ってきているように見える。しかしバス・電車や病院、学校などではまだマスクが必要。室内マスク解禁初日の街の様子とその他色々なコロナ規制を台北からレポートする。
室内ノーマスク宣言
台湾は昨日月曜日、ついに室内でもマスクをしなくてもよいという決定をした。去年12月1日に屋外での着用義務が緩和されたのに次いで感染対策を個人の判断にゆだねる方向にまた一歩動いた形となった。今回の決定は4つの理由がある。第一に、すでに感染した人とワクチンを接種した人の数が増え、抗体を持っている人の割合が人口の7割以上を占めていること、第二に、新たな変異株が発見されていないこと、第三に、着用義務を緩和しても必要に応じて自主的にマスクを着用する人が少なくないだろうと予想されること、そして第四に、世界の風潮に合わせるためとされている。しかし学校や病院、バス、地下鉄などでは依然としてマスクをしなければならない。ただ、学校については3月6日まで様子を見て特に大きな問題がなければ教室でもマスクが外せるようになる。
マスク緩和初日である20日の街の様子だが、実際にノーマスクで街を歩いている人はほとんどいない(筆者が見たノーマスクの人は西洋人二人だけだった)。それは感染に対してまだ不安が拭えず、マスクが必要な場面と不必要な場面があるため着脱が面倒で、マスクをつけっぱなしにする人が多いからであろう。
台湾入国は0+7
このようにコロナ対策に関する様々な制限が徐々に緩和されつつあるが、欧米のように「コロナは過去のもの」というまでの状況には至っておらず、台湾に入国したあとは「隔離0日(つまり隔離なし)」+「7天自主防疫(7日間の自主健康管理)」が求められるくらいである。インバウンドを重視・期待する台湾では外国人観光客に対して実質ほとんど制限なしの政策を実施している。
日本入国は陰性証明とワクチン接種が条件
一方、マスク着用義務については台湾と似たような緩和策を打ち出した日本だが、日本人が帰国する時や外国人が入国する時には、書類記入や有効なワクチン接種証明書の保持が求められたり、それがない場合は出国前72時間以内のPCR検査による陰性証明の提示が条件となっていたりする。ここで問題になるのはワクチンの製薬メーカーである。日本では台湾の製薬会社が製造したワクチンが認められていないため、台湾製ワクチンを接種した人は日本へ観光旅行に行くのに追加接種するかPCR検査を受けるが、どちらもいやなら日本行きを先送りにする台湾人も少なくない。また日本人にしても台湾をはじめ海外へ遊びに行って帰国する際の手続きを煩わしく思い、予想に反していまいちアウトバウンドが伸びていない。