注目ポイント
台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾各地の歴史ある市場やファーマーズマーケットを舞台に、季節のおいしい食材や台湾らしいユニークなモノやコト、その楽しみ方を紹介する月イチ連載。今回は、台北駅から徒歩でもアクセスできる立地のよさと、屋外型で街の空気を感じるのにぴったりな伝統市場、雙連朝市をご案内します。
早起きして訪れたい、台湾のローカル朝市
台湾の人々の生活風景を垣間見ることのできるスポットといえば、伝統市場。今回ご紹介する雙連朝市は、MRT「雙連」駅出口からすぐの場所に位置しており、観光客でも行きやすい市場のひとつです。日本のメディアでもよく紹介されているので、台湾好きの方なら、一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。

長さ300mほどのストリートの両脇には小さなお店や屋台が並び、朝8時頃からお昼過ぎまで多くのお客さんでにぎわっています。規模はそれほど大きくないものの、生鮮食品のほかにできたてのお惣菜を販売するお店も多く、人気店には行列ができることも。そのほか、生花や日用雑貨、衣料品までそろいます。
季節の移り変わりを感じる旬の食材がいっぱい
ある土曜日の午前中、夫とふたりでジョギング途中に雙連朝市に立ち寄ってみることにしました。天気は快晴で、春のような暖かさ。青空市場を歩くのはとても気持ちがよいものです。

店頭に並ぶ食材のラインナップも、どんどん春らしくなってきているのが見てとれます。ネギにニラ、セロリ、パクチー…。台湾料理に欠かせない香味野菜に加えて、ミント、ディルなどのハーブ類もちらほら。タイ、サワラ、しらすなど旬の海鮮もおいしそう!

果物ではいちご(中国語では草莓)がお目見え。パック詰め作業をしている青果店の前を通ると、フレッシュで甘やかな香りが漂います。台湾にもいちごの名産地がいくつかありますが、その筆頭である大湖産の採りたていちごが人気のようでした。

台湾の名物グルメを一度に少しずつ味わえる
朝市の中心部には学問の神様・文昌帝君が祀られた寺廟「文昌宮」があります。自由に出入りすることができ、地元の人々に混じっての参拝ももちろん可能です。

2021年に周辺一帯の整備が行われたことで、より利用しやすくなりました。ベンチなど座るところもたくさんあり、お惣菜を調達してゆっくり食事を楽しむこともできます。台湾式の生春巻き「潤餅(ルンビン)」や豚肉を揚げた「紅燒肉(ホンシャオロウ)」、もちもち食感の「肉圓(ロウユエン)」など、多彩にそろうローカルグルメはどれも一度味わうと虜になるはず。
メインストリートから外れた小道にもおいしいものが隠れている雙連朝市。ぜひ、朝からお腹を空かせて訪れてみてくださいね。
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