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国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」で父親を失った王克雄さんの書籍が15日、出版された。南部・台南市で行われた出版記念発表会に出席した黄偉哲(こういてつ)市長は、過去の人権侵害に向き合う「移行期の正義」をさらに推し進めていく姿勢を示した。

(台南中央社)国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」で父親を失った王克雄さんの書籍が15日、出版された。南部・台南市で行われた出版記念発表会に出席した黄偉哲(こういてつ)市長は、過去の人権侵害に向き合う「移行期の正義」をさらに推し進めていく姿勢を示した。
王克雄さんの父、育霖さんは日本統治時代に台南で生まれ、東京帝国大(現東京大)卒業後、台湾出身者として初めて日本で検察官となった。戦後も台湾で検察官を務めていたが、事件で失踪した。
「悲しみと怒りを力に変えて」と題された同著。真相究明を目指して活動してきた克雄さんの歩みとともに、事件の「加害者」として考えられる人物に関する報告書も収録された。
イベントは「台南228記念館」で開催された。台南市政府文化局は、今月28日の「和平記念日」に合わせ、講座や関連書籍の出版記念座談会を予定している。
(張栄祥/編集:楊千慧)