注目ポイント
台灣の花の価格が上昇している。台灣国内の物価高に世界的な物価上昇が値上がりの大きな要因だが、コロナ禍の航空便減少による全体的な供給量不足や、花屋に欠かせない資材の値上がりも遠因だ。
世界中で物価高が続いている昨今であるが、台湾も決して例外ではない。今回は、物価高に伴う台湾の変化と花への影響についてご紹介する。
日本のものは安くて高品質という時代
台湾では外食価格、鶏卵、野菜類は持続的に上昇しており、2022年はガソリンも高水準で推移している。また、花の値段も物価高に加えコロナの影響もあり、全体的に上昇傾向が続いている。
一方、台湾の給与水準については、近10年で1.4倍程度にはなっているものの、2021年の平均給与は55,592元(約25万円)となっており、これは日本の同年の平均給与である約30万円よりも低いものとなっている。さらに、台湾の場合は上場企業や大企業の経営陣が高い報酬となっているため、一般人の給与水準は実際はさらに低いものとなる。
最近、私の周りの台湾人たちが「以前は、日本の物は高品質だが高い、というイメージだったが、今では日本の物の方が安くなっていてとてもコスパが良い」と口を揃えて言っている。たしかに、日本旅行の際には所謂「爆買い」をしたり、日本のAmazonや代理業者を経由して日本製のものを空輸で購入している人が増えてきたと感じている。
そして彼らの買っている日本の商品は、日本ならではの名産品やお土産の類ではなく、化粧品や洗剤、お菓子などの日常的な消耗品がメインとなっている。これらの消耗品は、どれも台湾でも購入できるものなのだが、日本では台湾の価格の4分の1程度で購入できるため、大量に買い物をする人にとっては、今では旅費を払ってでも日本で購入した方が安い場合が多いのだ。

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台湾在住の日本人への影響
台湾で暮らしている日本人は、どうしても小さい頃から見慣れている日本製のものを購入しがちになるが、日本のものを購入しようとすると、日本で購入する場合に比べて約3倍から5倍程度の出費となってしまう。もちろん、外国であるにも関わらず日本製のものが購入できるというだけで、非常にありがたいことなのだが、日本製にこだわった生活をしていると家計への圧迫は免れない。
さらに現在では円安の影響で、普段でも高い日本製品も、さらに割高感が増していると感じている日本人が多いのではないだろうか。例えば、120元の商品を購入する際に、1元=3円であれば、日本円にして360円であるが、円安で1元=4円になると、120元は480円となる。台湾の物価自体が上がっていることに加え、円安が重なってくることで、台湾在住の日本人は多くの場合で台湾製を選択せざるを得なくなる。