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フィリピン沿岸警備隊は13日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のセカンド・トーマス礁にある同国の海軍拠点への補給を行っていた巡視船に対し、中国海警局の船が「軍事級のレーザー」を照射して妨害行為をしたとして非難した。中国による周辺国に対する同様の威嚇行動は過去にも報告されていた。
【2019年5月】 オーストラリア軍の複数のパイロットは、南シナ海での任務中に数回にわたり商用レーザーの標的にされたと証言した。
【2018年6月】 米軍当局者は2017年9月~18年6月にかけ、東太平洋で少なくとも20件の中国によるレーザー照射の疑いのある事件が起きているとCNNに明かした。
今回の事件は、米国と相互防衛条約を締結しているフィリピンが、米軍のアクセスを許可する基地を増やす計画を発表した数日後で、中国外務省の毛寧報道官は2日の会見で、この動きは「地域の緊張を高め、地域の平和と安定を危険にさらす」と反発していた。
CNNによると、米国は南シナ海での領有権を主張していないが、国際法と公海の自由に従い、米軍艦艇が定期的に水路で活動している。米国国務省は昨年6月、中国に「挑発的な行動をやめ、南シナ海における国際法を尊重する」よう求めた際、セカンド・トーマス礁を具体的に言及。「セカンド・トーマス礁近くのフィリピンの排他的経済水域内で中国はフィリピンの主権を侵害している」と明言した。