2023-02-11 経済

グーグルの親会社が1万2000人をレイオフテクノロジー産業の急拡大期に終止符打つ

© GettyImages

注目ポイント

どの部門が直接的な影響を受けたのか?AIを担当するグーグルリサーチによると、医療・ヘルスケアの分野で人員が削減されるという。クラウドプラットフォームのグーグルクラウドにより、直接顧客に接することのない部門や、技術職・運営チーム以外のポジションを減らすことが決まっている。しかし、開発および顧客関連職については、引き続き募集を行う。グーグルの親会社であるアルファベット社のムーンショット ファクトリーは、戦略・事業運営チームをレイオフした。


アルファベット社は20日、全従業員の6%に当たる約1万2000人をレイオフすると発表し、大幅な人員削減を行う最初のテクノロジー大手企業となった。

ロイターが入手した社員の証言によると、アルファベット社のスンダー・ピチャイCEOは次のように述べている。近年、急速に拡大してきた同社だが、「現在直面している経済の現実は、過去とは異なる」という。

また、ピチャイ氏は「この結果を招いた全責任は私にある」と続けた。 アルファベット社のライバルであるマイクロソフト社は、数日前に1万人をレイオフすると発表したばかりだ。

アルファベット社の人員削減は、採用や一部のコーポレート部門、製品チームなどの技術職、さまざまな部門に及んでいるが、レイオフの波は世界的なもので、アメリカの従業員もすぐに影響を受けた。

前述の証言によると、アルファベット社は既に該当する従業員にメールを送信したとのことだが、他の国ではその国の雇用法や慣行により、このプロセスはより長くかかるだろう。

またピチャイ氏は、次のようにも述べている。「当社の使命の強さ、製品・サービスの価値、そして人工知能(AI)への早期投資により、この先にある大きなチャンスに確信が持てる」。


過去最高の社員数、あらゆる面で課題が山積

同社史上最大のレイオフであり、カリフォルニア州に本社を置くアルファベット社の従業員数は昨年9月末時点で約18万7000人で、1年前の15万人から増加していた。ロイター通信によると、一部のアナリストは同社の過去最多の従業員数が、大きなリスクにもなっていると考えているようだ。

どの部門が人員削減の影響を受けるかについて、ニューヨーク・タイムズ紙は次のように述べている。各部門の幹部から社員に手紙が送られ、AI分野のGoogleリサーチが医療分野などで人員削減を行うことが明らかになった。前述の通り、クラウドプラットフォームのグーグルクラウドにより、直接顧客に接することのない部門や、技術職・運営チーム以外のポジションを減らすことが決定したが、開発および顧客関連職については、引き続き募集を行う。アルファベット社のムーンショット ファクトリーは、戦略・事業運営チームをレイオフした。

アルファベット社はAI分野をリードしてきたが、最近はマイクロソフトからの挑戦を受けているとロイター通信は伝えている。AI分野以外でのアルファベット社の主な収益源は広告だが、現在多くの企業が広告予算を減らしている。イギリスの金融会社ハーグリーブス・ランズダウンのアナリスト、スザンナ・ストリーター氏は次のように話している。アルファベット社はティックトックとの強い競争に直面しており、インスタグラムもYouTubeとユーザーを獲得するために競争している。なお、アルファベット社はすでに規制問題で数十億円の罰金を積み上げている。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい