2023-02-11 流台湾

多様な社会を反映してレインボーカラーも人気!台湾のバレンタインに贈る花

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注目ポイント

2月14日はバレンタインデー。義理チョコ文化の衰退が話題になっている日本とは違い、台湾ではパートナーへプレゼントを贈るのが一般的。人気の花束もお国柄が反映されている。

台湾のバレンタインデーは日本のようにチョコレートを贈る文化はなく、男性から女性へ花やプレゼントを贈ったり、オシャレなレストランに出かけるというのが一般的な過ごし方だ。今回は、台湾の花屋の目線から、バレンタインで人気の花についてご紹介していく。

一番人気は王道の赤バラの花束

赤いバラの花束は「愛」を伝えるプレゼントの王道であり、台湾でも人気だ。昨年のバレンタインシーズンは、コロナの影響や天候の関係で赤バラの値段が高騰し、テレビやウェブのニュースで話題となった。テレビ局が花市場のセリ風景や仲卸を撮影しにきて、花屋、一般客、メディア関係者で市場が大混雑になったこともある。

市場関係者によれば、昨年ほどではないものの、今年も赤バラの高値が予想されるという。それだけ台湾で需要が高まっているということであり、バレンタインに花を贈る文化が根付いてきていると言えるのではないだろうか。

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LGBTQに人気のレインボーの花

台湾はアジアで唯一同性婚が認められ、LGBTQなど性的少数者への理解のある国として、世界の注目を集めている。先月には同性婚に関する従来の法解釈を変更し、台湾人の婚姻相手の国・地域が同性婚を認めていない場合も婚姻届を受理するとした。台湾ではすでに1万組以上の同性婚が成立しているが、日常生活に何も変化はない。国民のほとんどが同性婚を受け入れ、性の多様性を認めていることの表れだろう。

LGBTQのテーマカラーであるレインボーの花材や花束のリクエストも年々増えてきているように感じる。もともと台湾では派手な花が好まれていたが、エクアドル産やケニア産のレインボーローズや、台湾産のレインボー牡丹菊などを使ったオーダーメイドの花束を作ってほしいという注文が、毎年のバレンタインシーズンには一定数ある。また、花束に様々な色の花を使った「レインボー花束」も近年人気となっている。

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花屋にとっても重要なバレンタイン

台湾の花は日本に比べて高価なため、学生など若い人が花を購入する機会はあまりない。だが、バレンタインだけはチョコレートを手作りする人がいるように、この日だけは花を贈るという人が多く、生まれて初めて花を買いに来たという人も多く来店される。

限られた予算では大きい花束や高価なバラの花束を作ることは難しく、花屋として心苦しい時もある。それでも私としては「花を買いに来た」という行動自体がとても嬉しく感じることであり、台湾で花文化を普及させたいという思いから、なるべく見栄えのする花を使ったり、少ない本数でもボリューム感を出すことに注力している。こういう時こそフローリストとしての腕の見せ所である。そして、完成した花束を見た時のお客さんの笑顔が、花屋を続けるモチベーションになる。

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