注目ポイント
春節の最終日とされる旧暦1月15日は元宵節と呼ばれ、台湾中がランタンの灯りでピッカピカに飾られます。観光局主催の台湾ランタンフェスティバルは、規制緩和後の最初のランタン祭りで、23年ぶりに台北で行われるので、今までにないくらい盛大です。また観光局はこのチャンスに訪台観光客に様々な特典を用意し、インバウンドを増やすべく奮闘努力しています。
ランタン祭り
日本では1月15日を小正月と言って、この日までお正月を祝います。「あけましておめでとう」と言っていいのもこの日までです。台湾でも同様に春節は1月15日(旧暦)までです。そしてこの日は各地で提灯を飾って盛大に祝う元宵節です。あの有名な平渓の天燈(フライングランタン、ランタン飛ばし、空飛ぶ提灯など日本語ではいろいろな言い方をしています)や交通部(国土交通省に相当)観光局主催の台湾ランタンフェスティバルが行われる日で、台湾中キラキラピカピカ輝いてとても幻想的です。今年の台湾ランタンフェスティバルは23年ぶりに台北市で行われ、国父記念館を中心に四つのエリアで元宵節にあたる2月5日から19日までの2週間開催されることになりました。今年はランタンフェスティバルの会場に限らず、あちこちの道を電飾で飾ったり、道沿いの店の中もピカピカ装飾したりして集客効果を狙っています。観光局は8万個の折り紙タイプの提灯をイベント会場などで配りました。私にとって組み立てるのはけっこう難しくて悪戦苦闘しましたが、可愛い兎の提灯ができました(兎の提灯動画参照)。
日本からの出品とパフォーマンス
国父記念館には、テクノロジー立国をアピールすべく今年の干支である大きな兎ロボットのオブジェが正面に飾られ、記念館の周りには、インドネシア、グアム、韓国、香港など様々な団体の作品が並べられています。最も多かったのは東京、大阪、名古屋を始め秋田、福島などの東北各県や四国、九州の県など、日本から参加した作品でした。







また、初日はあいにくの空模様でしたが、信義区市政府前の広場で北海道、三重、名古屋、高知から来たグループがよさこいなどダンスパフォーマンスを披露し、司会者はそれを日本語で紹介していました。ほかにセブンイレブンの親会社統一グループやダンスクラブ、台北市立大学や建国高校、景美女子高校の学生たちもダンスやマーチングバンド演奏などのパフォーマンスを繰り広げました。
水際対策や規制が緩和されたので行き来が自由になりましたよというふうに、国際色を色濃く出している印象を受けました。
観光局の奮闘
水際対策が緩和され、久しぶりに台北で開かれたランタンフェスティバルですが、観光局はインバウンドをコロナ禍前の水準に戻そうとこれまで以上に力を入れています。コロナ禍で航空定期便が運休し、お互いの行き来が大幅に減少してから数年ぶりに台北で開催されたわけですが、台湾の観光局は、海外からの観光客に対して高速鉄道(台湾新幹線)のチケット1枚分の料金で二人乗車できるチケットや期限付き周遊券を発売したり、台湾全国のファミマで使える「台湾フルーツ盛合せ交換カード」を入国時に空港で配ったりして何とかインバウンドを増やそうと奮闘努力しています。台湾から日本へ行く人は増えてきましたが、日本から台湾へ行く人の数はまだ元に戻っていません。定期便が運休された航空会社の路線もあまり復活していません。
次回はその原因と影響についてレポートします。