注目ポイント
昨秋から入境制限が緩和され、日台間の往来もようやく日常を取り戻しつつあります。筆者も年末年始の休暇に3年ぶりの台湾訪問を決行しました。機車(バイク)があふれる島をバイクで旅しよう、というワクワクの計画を立てて…。ですが、あの愛しくも懐かしい台湾で、想像以上のトラブルに遭遇する羽目に。しかしそこは台湾、どんなトラブルも感動に変えてしまうチカラがある島です。今回は、台湾到着から運命の地に至るまでの道中談です。
台湾環島“機車”の旅に出発!
さあ、いよいよ3年ぶりの台湾です。到着したという感慨にふける間もなく、さっそく練りに練った環島(台湾一周)計画が始まります。「環島が成功すれば、台湾話のネタが一つ増えるな」。そんな事を考えていましたが、その後、想像のはるか上をいくトラブルに遭遇することになるとは、この時は夢にも思いませんでした。

桃園国際空港を出たバスは台湾鉄道桃園駅に向かっています。
車窓から見える台湾の日常は3年前と変わらなかった。繁体字の看板やたくさんのバイクを見ると、いま自分は台湾にいるんだ、という実感がわいてきます。
桃園駅(桃園市中壢区)へ来た目的はただ一つ。台湾滞在中の足になるバイクのレンタルです。台湾鉄道の駅の近くにはたいていレンタルバイク屋さんがあり、免許さえあれば外国人でもバイクを借りられます。
台湾の免許が無くても大丈夫。日本の運転免許証の中国語訳があれば、車もバイクも運転できます。中国語訳はJAF(日本自動車連盟)や日本台湾交流協会で申請すれば簡単に手に入ります。ただし台湾のバイクは125ccが主流なので普通自動車運転免許だけでは運転できません。
公共交通網が整っていない地方都市を移動するにはバイクが便利です。私は台湾で自由に動き回りたいがために日本で普通自動二輪免許を取りました。
桃園駅に着き、まずは目についたレンタルバイク屋さんに飛び込みました。しかし残念ながら借りられるバイクはないとのこと。手当たり次第に店を回ってもいいけど、ここは旅遊服務中心(ビジターセンター)を頼った方が効率的です。
改札前にある旅遊服務中心を訪ねると、人の良さそうな男性の係員さんが出てきました。「この近くでバイクを借りたい」と相談すると、「ちょっと待ってなさい」と、さっそく付近のお店に電話をかけてくれました。
これで安心…と思いきや、「何軒かあたってみたけれど、どの店も明日朝にならないとダメ」とのこと。時刻はすでに夕刻。できれば今日中に台中まで移動したいのですが、桃園で一泊するしかないか?
いや、こういう時は場所を変えるだけで反応は変わるはず。バックパッカーとして30カ国を回った経験が「別の町で探せ」と脳内で訴えかけます。
親切な係員さんにお礼を言ってから、台湾鉄道(在来線)で同じ区内の2駅先、中壢へと移動しました。ここは桃園国際空港行きのMRT(市内電車)とも接続しており、バイクを返却したらすぐに空港に行けるメリットもあります。