2023-02-02 観光

高速バス運休の日統客運、会長が涙で最終バス見送り 約26年の歴史に幕/台湾

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バス事業を運営する日統客運は31日までに、全ての高速バスの運行を休止した。この日の午後0時20分、中部・雲林県斗六から北部・台北への最終バスが出発する際には、同社の林義風董事長(会長)が涙ながらに乗客らを見送った。

日統客運の林義風董事長(手前)

(雲林中央社)バス事業を運営する日統客運は31日までに、全ての高速バスの運行を休止した。この日の午後0時20分、中部・雲林県斗六から北部・台北への最終バスが出発する際には、同社の林義風董事長(会長)が涙ながらに乗客らを見送った。

同社は県内の路線バスや斗六、中正大学(南部・嘉義県民雄)などと台北を結ぶ高速バス4路線を運行していたが、2007年に開業した台湾高速鉄道(高鉄)の影響に伴う利用者減や負担増で運営が困難となり、高速バス全路線の運休を決めた。

林氏は約26年続いた高速バス事業からの撤退について、内心は苦しく、地元の人々に申し訳ないと胸の内を吐露。雲林の人々の長きにわたる愛顧に感謝を示した。

台北行きの最終バスは全席完売となり、台北の家族に会いに行く人やバスファンが乗車した。かつて日統客運のバスを頻繁に利用していたという林さんは、午前6時に台北から斗六に駆け付け、同行した友人はこの日で運休する3路線の乗車券を購入して記念にしていた。

バス事業などを管理する交通部(交通省)公路総局嘉義区監理所の黄万益所長は、日統客運の各高速バス路線について、大手バス会社の統聯客運が引き継ぎ、運行は中断しないと語った。

(姜宜菁/編集:齊藤啓介)

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