注目ポイント
プロポーズといえば婚約指輪を渡すのが一般的だが、ロマンチストが多い台湾では花束も欠かせないアイテム。プロポーズにぴったりの花束は定番の赤いバラ? それとも……
私が台湾で経営している花屋では、プロポーズの際に渡す花束のご注文も多い。台湾人だけでなく、在台の日本人の方が買いに来られるケースもある。
日本で花屋をしていた時は、プロポーズ用の花束のご注文はそれほど多くなかった。だが、台湾人男性は日本人男性よりもロマンチストな方が多く、プロポーズや婚姻届を提出する際に花束を贈る習慣があるのだ。もちろん、台湾人女性もそれを期待しているところがあるため、台湾人女性にプロポーズする場合は、ぜひ花束を持参してほしい。
圧倒的人気は赤いバラ
プロポーズの際にどんな花束が好まれるのか? 世界的に見ても王道は赤いバラである。赤いバラの花言葉は、日本や欧米で「情熱・愛情・美」など愛に関するものが多いように、台湾でも「情熱・永遠・美・愛」と、まさにプロポーズにぴったりの花材だ。
ただ、赤いバラと一括りにいっても、品種、産地、季節、大きさは様々で、予算によって見た目も全く異なったものになる。台湾で人気なのは、エクアドル産の輸入バラ。大輪でボリュームがあり、大きな花束を作るのに向いている。
台湾産も数種類あるが、花の大きさは輸入産に比べて4分の1程度で、色は少し黒みがかった赤。人によって好みは分かれるが、予算を抑えてコンパクトな花束をプレゼントしたければ台湾産のバラをオススメしている。

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バラは赤以外も人気
赤いバラ以外にも、市場には輸入産、台湾産問わず様々な色のバラが流通している。赤いバラを王道過ぎると感じたり、相手のイメージと違うという方には、ピンク系やオレンジ系が人気だ。
ピンク系は淡い色から濃い色、グラデーションまで様々だが、若い人には淡いピンクが人気だ。贈る相手が可愛らしい、清楚な女性の場合は特にオススメしている。
オレンジ系は台湾産だと濃い色がほとんどなく、淡い色がメインとなる。元気で明るかったり、ヨーロピアンな雰囲気が好きな女性にオススメの色である。プロポーズの花束以外にも人気の色だが、オレンジ系のバラはラッピングひとつで雰囲気が大きく変わる花材でもある。ラッピングペーパーの色がオレンジや黄色系なら明るくはっきりとした印象になり、緑や茶色ならオシャレな雰囲気に仕上がる。
近年の台湾では、日本人や韓国人のような淡い色合いの服装やメイクが女性の間で人気で、花束も同様に、日本や韓国のようなラッピングセンスが求められるようになった。そのため、ラッピングペーパーの色や包み方を細かく指定する男性のお客様も増えてきている。若い男性たちが花束について、念入りに調べてから来店されるのは、花屋にとっても嬉しい限りである。

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