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中国が29日、禁輸していた台湾企業63社からの食品の輸入を許可すると発表したのを受け、台湾で対中政策を担う大陸委員会は同日、中国との意思疎通について苦言を呈した。

(台北中央社)中国が29日、禁輸していた台湾企業63社からの食品の輸入を許可すると発表したのを受け、台湾で対中政策を担う大陸委員会は同日、中国との意思疎通について「政府として中国側に何度も具体的な説明を求めたものの、既読無視をされるか、あいまいに濁された」と苦言を呈した。その上で、台湾の製品が無事に輸入されるかどうか、実際の通関状況を観察していくとした。
中国は昨年12月、企業登録の不備を理由に台湾産の水産物や酒類などの輸入を停止。輸入停止件数は同10日現在で2400件超に上っていた。中国は同国に食品を輸出する全世界の企業に企業登録を求めているが、台湾側は、台湾に対する扱いが他国に比べて差別的だったとして不満をあらわにしていた。
中国で対台湾政策を所管する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は29日、離島・金門の酒造メーカー、金門酒廠を含む台湾企業63社の企業登録や登録更新をすでに認めたと発表。これは、中国がこれら企業からの輸入を解禁することを意味する。国台弁は、輸入停止後に野党・国民党の洪秀柱(こうしゅうちゅう)元主席(党首)や新党の呉成典(ごせいてん)主席、金門県の陳福海(ちんふくかい)県長などの関係者や商工団体から要求が伝えられたとし、「われわれはこれを重視し、積極的に対処した」と主張した。
大陸委は、中国の税関が今回、具体的で有効な情報を台湾側に提供し、企業登録の不備などの原因を明確に説明するかどうかで、中国の関係当局に貿易上の障害を排除する誠意があるかを判断していくと強調した。
(呂佳蓉/編集:名切千絵)