注目ポイント
春節のお節料理にも飽きてきたころ、不摂生とは知りつつも無性にインスタントラーメンが食べたくなりました。台湾のインスタントラーメンは種類も多いし質も充実しています。レトルトパウチに入った煮込みビーフや鶏肉の酒蒸しなどが食べられるカップ麺も台湾では人気商品の一つです。著名シェフだけではなく、芸能人も副業としてこの分野に進出し、彼らのプロデュースする汁なしまぜそば(乾拌麺)は好評を博しています。
初期の台湾インスタント麺
日本では日清食品が1958年にチキンラーメンを発売したのが世界初のインスタントラーメンとされています。台湾は9年遅れでこのチキンラーメンの製造技術を導入し「生力麺」の製造販売を始めました。これが台湾初の即席めんとなりました。その後台湾の即席めんは日本とは全く違う独特の進化をし、今に至っています。台湾人に深く長く愛されてきたのは、台南名物「度小月」の担仔麺を模した「統一肉燥麺(豚ひき肉そぼろかけ麺)」、維力公司の「炸醬麺(ジャージャン麺)」、味王公司の「牛肉麺」、味丹公司の「排骨雞麵」の4つで、台湾即席めん四天王と呼ばれています。一度食べたら日本人でもクセになること請け合い、日本にはない味が楽しめます。筆者は「四天王」の中では特に維力炸醬麵が好きで、酢を入れたりニンニクを加えたり細切りキュウリをトッピングしたりしてかなりの頻度でおいしくいただいております。

人気大爆発の乾拌麺(汁なしまぜそば)
台湾でカップ麺が最初に製造発売されたのは1988年のことです。それから即席めん業界は驚くほどのスピードで進化し続けます。最初に本物の肉をレトルトパウチに入れたのは「満漢大餐」です。カップ麺と言えば、「来一客」、「阿Q桶麺」も安定した人気のロングセラーです。台湾酒タバコ公司が売り出した袋めん「台酒花雕雞麵」は米酒の小袋がついていて、発売直後からどこのスーパーでも売り切れ続出でした。
汁なしまぜそばの先駆けとなったのが、10年前に売り出された「阿舍乾麺」です。その後、關廟乾麺とか巷口乾麺などという名前のいろいろな乾拌麺(汁なしまぜそば)が売り出されましたが、値段が少々高いにもかかわらず徐々に評判が広がっていき、今ではどのスーパーへ行っても専門のコーナーが設けられているほど乾拌麺は好調な売り上げを維持できる人気商品となりました。


芸能人ブランドの乾拌麺(汁なしまぜそば)
副業を持っている芸能人は日本でも台湾でもたくさんいますが、ここ数年、台湾では独自の研究開発で乾拌麺を作って販売する芸能人が増えてきました。今一番人気は俳優・司会者として知られる曾国城がプロデュースした「曾拌麺」です。迪化街には専門店もあって色々なフレーバーの曾拌麺を手に入れることができます。NHKで2020年に放送された「路~台湾エクスプレス~」(ちなみに筆者は建設会社社長役として約2秒このドラマに出演しています)で波瑠の恋人役を演じた台湾のイケメン俳優アーロン(炎亜綸)も乾拌麺をプロデュースしています。芸能人の乾拌麺はネーミングもユニークです。