注目ポイント
台湾の三大節句のうち最大の春節、多くの人が和気あいあいと家族親戚でお節を食べます。また、思いっきり羽を伸ばして国内外の旅行を楽しむ人もたくさんいます。お節料理の一つ一つに縁起のいい意味が込められていたり、春節の間にしなくてはいけないことがあったり、逆にしてはいけないことがあったりしてまだ昔の風習がそのまま残っているところもあります。春節の連休、台湾ではみんなどのように過ごすのでしょうか。どんな風習や禁忌があるのでしょうか。
年菜(台湾のお節料理)に込められた願い
日本のお節料理には「学業成就の伊達巻」、「子孫繁栄の数の子」、「まめに働く黒豆」、「金運上昇の栗きんとん」など、それぞれに縁起のいい意味が込められています。台湾のお節にも同じようにお正月に食べる定番の料理があります。長年菜(北部では芥子菜、南部ではホウレンソウ)は文字通り長寿の意味です。但し食べるときに途中で嚙み切ってはいけません。また「年年有餘(ゆとりある生活ができますように、の意)」の「餘」の発音が「魚」と同じことから魚料理が出てきます。これ以外にも縁起のいい食材がたくさんあります。

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髪菜(髪の毛に似た海藻):発音が「発財(お金持ちになりますように)」と同じです。
鶏肉:台湾語のことわざに「吃雞會起家」というのがあります。「起」と「鶏」の発音が同じなので鶏肉を食べたら家が繁盛するという意味になります。
魚丸、肉丸(つみれ):形が丸いので家族円満を表します。
蘿蔔糕(大根餅)、年糕(蒸しパンのようなもの):毎年昇り続けるという意味の「年年高(糕)」と発音が同じです。
白蘿蔔(大根):台湾語で幸先がよいという意味の「好彩頭」と発音が同じです。
韭菜(にら):「韭」の発音が「久」と同じで長寿の意味です。
棗子(なつめ):「棗」と「好」の発音がちょっと似ていることから毎年幸運がありますようにという意味です。
花生(落花生):「花生」と「発生」の発音が似ていることから「好事発生(良いことが起こりますように)」という意味です。
このように台湾では春節に縁起のいい料理を一家団欒の食卓に並べます。日本と違うのは台湾では大晦日からおせち料理を食べ始めるということです。

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春節の休みに何をする?
春節の長い休みの間、台湾の人々は毎日やることが決まっているのでしょうか。もちろん家族や親せきの都合によってやったりやらなかったり、或いは日程をずらしたりすることはあるでしょうが、基本的にはやることは決まっています。
除夕(大晦日)…先祖や土地の神様(土地公)にお参りをした後、家族で卓を囲んでお節を食べ始めます。お年玉を配るのもこのタイミングです。
初一(旧暦1月1日)…地元の廟や大きな廟で初詣をしたり、友達や隣人たちへ年始回りをしたりします。
初二…「回娘家」といって母方の実家へ行きます。中国語の「娘」は「むすめ」ではなくて「母」という意味です。
初三…言い伝えによるとネズミが嫁入りする日で、この日はネズミの邪魔をしないよう早起きしてはいけません。いわゆる一日だけの「寝正月」が許される日です。