2023-01-20 政治・国際

日本と台湾は「これからの100年、共に未来を語ることができるパートナー」

© 日本台灣交流協會成立50週年慶祝酒會,日本駐台代表泉裕泰(中)向來賓舉杯致意。

注目ポイント

昨年12月に開かれた日台交流協会50周年記念式典に出席した台北事務所代表の泉裕泰氏は、「世界中を見渡してみても、日本と台湾のように近接して良好な関係を保っている例は一つも見当たらない。日本と台湾の関係は『唇亡齒寒』(一方が滅びると、他の一方の存在も危うくなる)のようなもので、かけがえのないパートナーなのです。 日本と台湾は、次の100年で、共に未来を語ることができると思います」と、日本と台湾の友好が永遠に続くよう、将来も交流を深めていきたいと語った。


日本台湾交流協会(以下=日台交流協会)は、創立50周年を迎え、国内外の多くの要人から敬意を表される中、特別レセプションを開催した。泉氏は「日台関係を構築してきた李前総統と安倍元首相は最近この世を去ってしまい、日台関係は二つの大きな動力を失ってしまった。しかし、ここで立ち止まることはなく、今後100年間、共に未来を語り合うことができるパートナーシップである」と強調した。

日台交流協会は、1972年に非政府組織として設立された。 泉氏は講演の中で、日台交流協会の50年の歴史を振り返り、決して平坦な道のりではなかったと感慨深く述べた。 そこで、日本側は「交流協会」を、台湾側は「亜東関係協会」を設立し、日台関係をより良いものにするために、多くの制約を受けながらも、手探りの状態からスタートしたのであった。

泉氏はまた、冷戦の終結、1990年前後からの台湾の民主化への動き、2001年の9・11米国の同時多発テロを契機に「文明の衝突」が起こり、世界が暴力と混沌の状況に戻ったことなど、この50年間で日本と台湾の国際状況が大きく変化したことに触れ、「日本も台湾も、この50年間で大きく変わった」と述べた。 今年に入り、ロシアとウクライナの戦争、北朝鮮によるミサイル発射、中国の台湾への軍事的脅威の拡大など、世界は緊迫した状況が続いている。

2020年7月には、心の底から尊敬していた李登輝元総統が亡くなり、2022年には李元総統とともに日台関係の強化に取り組んでいた安倍元首相も思いがけない出来事でこの世を去ってしまった。二つの大きな動力を失ってしまった。しかし我々は立ち止まってはいけない。

© 中央社

日本台湾交流協会創立50周年記念レセプションが1日夜、台北市内で開催され、日本代表の泉裕泰氏(奥)が来賓を迎えてあいさつした。

2019年に台湾入りした泉氏は、3年前は欧州を含む国際社会の多くの国々が今ほど台湾の重要性を感じておらず、「なぜ台湾が重要なのか」というコンセンサスが構築されていなかったのが、この3年ほどの間に、国際社会における台湾の重要性が急速に高まっていると述べた。

新型コロナウイルスが世界的に流行する中、日本や欧米の経済は停滞しマイナス成長に陥っているが、台湾だけは2020年に3%、2021年には過去最高の6.28%の経済成長を遂げ人々を驚かせた。 また、台湾が誇る半導体産業が世界のサプライチェーンで重要な役割を担っていることからも、台湾の人々が台湾人であることに自信を持ちつつあることも示している。

2005年の愛知万博を機に台湾人の日本へのビザ免除が実現し、日台間の交流が画期的に増加したこと、2007年の台湾新幹線の開業が多くの困難を乗り越えて無事に走り続け、日台友好のシンボルとなったこと、2011年の3・11東日本大震災直後に台湾人から受けた有形無形の援助・支援など、日台間の交流は多岐にわたり、大震災から10年以上経った今でも、日本人の心に深く刻まれている。

© 中央社

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